NY為替見通し=雇用関連を含む複数指標を確認しつつ、神経質な動き続くか

 本日のドル円は、欧州市場序盤で143円割れ寸前まで下落。昨日の弱い7月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数を受けた米長期金利低下からのドル売りの流れが続いた。

 本日のNY市場では雇用関連を始め経済指標の発表が多数予定されている。明日の8月米雇用統計を前にドル円は、これら結果を確認しつつ、米長期金利や株価の動向も眺めながら神経質な展開が続くことが予想される。

 本日の米雇用関連として、8月チャレンジャー人員削減数(前回:+9.2%)や8月ADP雇用統計(予想:+14.5万人、前回:+12.2万人)、前週分の新規失業保険申請件数(予想:23.0万件、前回:23.1万件)、8月ISM非製造業景況指数の雇用指数(前回:51.1)などが発表予定。

 その中でも注目を集めそうなのはADPだろう。昨日のJOLTSの結果を受け、CMEグループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」を見ると、9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.50%利下げ確率が4割前後(1週間前は3割前後)に上昇している。予想より弱い結果となれば0.50%利下げを織り込む動きが一段と強まることが見込まれると共に、ドル売り圧力が強まる公算が大きい。ただし、昨日のJOLTSだけで大幅利下げを織り込むのは行き過ぎとの見方もあり、本日のADPが予想比上振れとなれば買い戻しが活発化することもあり得るだろう。

 また、先ほど雇用で触れた8月ISM非製造業景況指数について、市場予想は51.1と前月51.4より小幅低下の見込み。今年に入り7回発表されたが4回は予想を下回り、うち2回は好不況の分岐点の50を割り込んでいる。今年最低となる6月の48.8をも下回るようだと、米景気後退を意識したドル売りが出ることも想定される。

想定レンジ上限
・ドル円は4日陰線実体部の1/2戻し144.61円。超えると日足・一目均衡表の転換線145.13円。

想定レンジ下限
・ドル円はピボット・サポート2の142.48円。割ると8月5日安値141.70円。


(川畑)
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