東京外国為替市場概況・12時 ドル円、下げ幅拡大

 11日の東京外国為替市場でドル円は下げ幅を拡大。12時時点では141.83円とニューヨーク市場の終値(142.44円)と比べて61銭程度のドル安水準だった。中川日銀審議委員の発言をきっかけにドル売り円買いが一気に強まった。同委員は今後の金融政策運営について、「先行き経済・物価の見通しが実現していくとすれば」という条件のもと「金融緩和の度合いを調整していく」との見解を示した。142円を割り込んだドル円は、暴落した8月5日の安値141.70円を下抜けて141.51円まで下げ足を速めた。
 これまでの日銀当局者の発言と大きな差異はなかったこともあり直ぐに切り返したが、142円付近では頭を抑えられた。その後は141円後半で上下する展開が続いた。

 ユーロ円も売り押される。12時時点では156.48円とニューヨーク市場の終値(156.97円)と比べて49銭程度のユーロ安水準だった。日銀金融政策に対する中川審議委員の考えが伝わると、ドル円同様に円高が進行。弱い日経平均も重しに、一時156.22円までユーロ売り円買いが進んだ。本邦債券市場の反応が限定的であったため156円後半まで戻す場面もあったが、その後は156円半ばで上下した。
 他クロス円も、ポンド円が185.22円、豪ドル円は94.14円、カナダドル円が104.01円まで外貨安・円高に振れた。

 ユーロドルはじり高。12時時点では1.1033ドルとニューヨーク市場の終値(1.1020ドル)と比べて0.0013ドル程度のユーロ高水準だった。ドル円のドル安進行に影響され、時間外の米10年債利回りの低下なども支えに一時1.1045ドルまで上昇した。

本日これまでの参考レンジ
ドル円:141.51円 - 142.47円
ユーロドル:1.1017ドル - 1.1045ドル
ユーロ円:156.22円 - 157.02円


(小針)
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