ニューヨーク外国為替市場概況・11日 ドル円、小幅続落

 11日のニューヨーク外国為替市場でドル円は小幅ながら続落。終値は142.36円と前営業日NY終値(142.44円)と比べて8銭程度のドル安水準だった。米労働省が発表した8月米消費者物価指数(CPI)は前月比0.2%/前年比2.5%と予想の前月比0.2%/前年比2.6%を前年比で下回った。一方、エネルギーと食品を除くコア指数は前月比0.3%/前年比3.2%と予想の前月比0.2%/前年比3.2%を前月比で上回り、米連邦準備理事会(FRB)が注目しているスーパーコア(住居費を除くサービス)は2カ月連続で加速した。この結果を受けて、米大幅利下げ観測が後退すると全般ドル買いが活発化。22時前に一時142.54円と日通し高値を更新した。
 米CPI発表直後に3.68%台まで上昇した米10年債利回りが低下に転じると、ドル円にも売りが出て141.25円付近まで下押しした。ダウ平均が一時740ドル超下落したほか、日経平均先物が大証終値比360円安の3万5410円まで急落したことも相場の重しとなった。
 ただ、米10年債利回りが再び上昇に転じるとドルを買い戻す動きが優勢に。ダウ平均や日経平均先物が持ち直し、底堅く推移したことも相場の支援材料となり、5時過ぎには142.46円付近まで値を戻した。

 ユーロドルは小幅ながら4日続落。終値は1.1012ドルと前営業日NY終値(1.1020ドル)と比べて0.0008ドル程度のユーロ安水準だった。米CPIの結果を受けて米大幅利下げ観測が後退すると全般ドル買いが先行。24時前に一時1.1002ドルと日通し安値を更新した。
 ただ、売り一巡後は1.10ドル台前半で徐々に値動きが鈍った。明日12日の欧州中央銀行(ECB)定例理事会の結果を見極めたいとの雰囲気もあり、積極的な売買は手控えられた。

 ユーロ円も小幅続落。終値は156.78円と前営業日NY終値(156.97円)と比べて19銭程度のユーロ安水準。22時過ぎに一時156.98円付近まで上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値157.02円が目先レジスタンスとして意識されると失速。米国株や日経平均先物が下落したタイミングでリスク回避の円買いが強まると一時155.46円と日通し安値を更新した。
 ただ、米国株や日経平均先物が持ち直すとユーロ円にも買い戻しが入り、156.95円付近まで値を戻している。なお、日経平均先物は引けにかけて買いが強まり、大証終値比860円高の3万6630円まで急伸した。

本日の参考レンジ
ドル円:140.71円 - 142.54円
ユーロドル:1.1002ドル - 1.1055ドル
ユーロ円:155.46円 - 157.02円

(中村)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。