欧州マーケットダイジェスト・12日 株高・金利上昇・ユーロ底堅い

(12日終値:13日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=142.27円(12日15時時点比▲0.53円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=157.30円(▲0.09円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1056ドル(△0.0034ドル)
FTSE100種総合株価指数:8240.97(前営業日比△47.03)
ドイツ株式指数(DAX):18518.39(△188.12)
10年物英国債利回り:3.781%(△0.020%)
10年物独国債利回り:2.150%(△0.038%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
       <発表値>    <前回発表値>
8月独卸売物価指数(WPI)
(前月比)   ▲0.8%      0.3%
欧州中央銀行(ECB)、政策金利
      3.65%へ引き下げ   4.25%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは強含み。欧州中央銀行(ECB)定例理事会を前に、しばらくは1.10ドル台前半でのもみ合いが続いたものの、結果が公表されると次第に強含んだ。前日の高値1.1055ドルを上抜けて、3時前には一時1.1057ドルと日通し高値を更新した。
 ECBはこの日、市場予想通り政策金利を4.25%から3.65%に引き下げることを決めたと発表。声明では「決定は会合ごとに実施し特定の道筋に事前にコミットしない」とのガイダンスを維持した。また、ラガルドECB総裁も理事会後の会見で「われわれは特定の金利経路を事前に約束しているわけではない」と強調したほか、「9月はエネルギーの動向により低いインフレ率を示す可能性が高いものの、第4四半期には再び上昇する」との見方を示した。
 「今回の利下げとラガルド総裁の発言は想定の範囲内」との受け止めが多い中、10月の追加利下げ観測が後退すると、ユーロ買い・ドル売りが優勢となった。市場では「次の利下げは10月ではなく、12月になりそうだ」との声が聞かれた。

・ドル円は小安い。時間外の米10年債利回りが上昇したことを受けて、日本時間夕刻に一時143.04円まで値を上げたものの、143円台では戻りを売りたい向きも多くすぐに失速した。NYの取引時間帯に入り、8月米卸売物価指数(PPI)が総合・コアともに前年比で予想を下回ると米10年債利回りの低下とともにドル売りが先行。ナイト・セッションの日経平均先物が480円下落したことも相場の重しになると、22時過ぎに一時141.91円と日通し安値を付けた。
 ただ、米10年債利回りが3.70%台まで一転上昇すると下げ渋った。日経平均先物が持ち直したことも相場を下支えした。

・ユーロ円は日本時間夕刻に一時157.51円と本日高値を付けたものの、22時過ぎには156.54円と本日安値まで下落した。ただ、ユーロドルの上昇やドル円の下げ渋りにつれた円売り・ユーロ買いが出ると157.50円付近まで持ち直している。

・ロンドン株式相場は3日ぶりに反発。前日の米国株相場や本日のアジア各国の主要株価指数が総じて上昇したことを受けて、英株にも買いが波及した。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が買われたほか、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が値上がりした。半面、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が売られた。

・フランクフルト株式相場は続伸。前日の米国株相場や本日のアジア株相場が上昇したことを受けて、独株にも買いが入った。ただ、欧州中央銀行(ECB)定例理事会の結果が伝わると、若干伸び悩んだ。個別ではシーメンス・エナジー(5.12%高)やアディダス(2.68%高)、DHLグループ(2.50%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は下落。ECBは利下げを急いでいないとの見方から独国債に売りが出た。

(中村)
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