週間為替展望(ポンド/加ドル)-ポンド、8月CPI確認後MPCに注目
◆ポンド、8月CPIを確かめてMPCに注目
◆加ドル、8月のインフレ指標を注視
◆米・日の金融政策に振らされる展開
予想レンジ
ポンド円 183.00-190.00円
加ドル円 102.50-106.50円
9月16日週の展望
ポンドは19日にイングランド銀行(英中銀、BOE)が公表する金融政策に注目だが、その前日に発表される8月消費者物価指数(CPI)を確かめる必要がある。また18日(日本時間19日未明)は米連邦公開市場委員会(FOMC)、20日には日銀金融政策決定会合の結果が明らかにされる。週半ば以降に控える複数の重要イベントを控え、為替市場はかなり神経質に上下しそうだ。
前回の7月CPIは前年比2.2%上昇と7カ月ぶりに拡大。目標の2.0%に並ぶ水準から上振れた。一方、前月比は0.2%低下と半年ぶりにマイナスに沈んだ。またCPIコア指数も前年比3.3%上昇と、約2年10カ月ぶりの低水準を記録。しかしながら、短期金融市場では追加利下げへの機運は強まらず。BOEが注目するサービス価格の上昇率が鈍化したとはいえ5.2%と高い水準であり、今回もサービスインフレに注意する必要があるだろう。
英中銀金融政策委員会(MPC)では、政策金利は現行の5.00%で据え置かれるとの見方が優勢。ポイントは、11月と12月の年内残り2会合で0.25%ずつの利下げを織り込んでいる市場の期待に沿った声明内容となるかどうか。また、MPC委員の投票行動も注視される。利下げ決定の8月会合ではベイリーBOE総裁を含めた5名が5.25%から5.00%への金利引き下げを支持した一方、中銀チーフエコノミストでもあるピル委員など4名が据え置き主張と僅差だった。今回は、5月以降ハト派寄りの姿勢を示していたラムスデン副総裁の行動に注目している。
加ドルもまず、17日の8月CPIの結果を受けた動きとなるだろう。市場予想は前年比2.1%上昇と3年半ぶりの低水準が見込まれている。予想に沿った結果であればカナダ中銀(BOC)のインフレ目標2%をほぼ達成した形にもなり、来年春まで利下げを織り込む市場の見方を後押しすることになる。なお、マックレムBOC総裁は先日、さえないカナダ雇用データを受けて「さらなる利下げを予想するのは妥当」と述べた。6日発表された8月雇用統計では、新規雇用者数が2.21万人増と予想に届かず、失業率は6.6%と前回から悪化予想の6.5%より更に悪かった。
カナダCPIへの反応一巡後は、経済的な繋がりが強い米国の金融政策を受けた対ドル動向に付いて行く展開となりそう。大幅な米利下げ観測は後退したものの、今後の利下げペースへの思惑は定まっておらず、声明や経済・金利見通し、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見内容次第で値幅を伴う動きとなりそうだ。また、日銀会合に関連した報道などにも注意したい。
9月9日週の回顧
クロス円はリスクセンチメントの強弱に振らされた。ポンド円は週初に188円前半まで上昇したところから失速し、約1カ月ぶりの安値183.72円まで一時下落。加ドル円も106円台乗せで頭を抑えられ、8月5日以来の安値103.50円まで売り込まれた。
ポンドドルは1.31ドル前半から弱い英経済指標も重しに1.30ドル手前まで下押しするも、再び1.31ドル台を回復した。加ドルは原油先物の軟調さも背景に対ドルで1.36加ドル前半まで加ドル安に傾く場面があった。(了)
(小針)
◆加ドル、8月のインフレ指標を注視
◆米・日の金融政策に振らされる展開
予想レンジ
ポンド円 183.00-190.00円
加ドル円 102.50-106.50円
9月16日週の展望
ポンドは19日にイングランド銀行(英中銀、BOE)が公表する金融政策に注目だが、その前日に発表される8月消費者物価指数(CPI)を確かめる必要がある。また18日(日本時間19日未明)は米連邦公開市場委員会(FOMC)、20日には日銀金融政策決定会合の結果が明らかにされる。週半ば以降に控える複数の重要イベントを控え、為替市場はかなり神経質に上下しそうだ。
前回の7月CPIは前年比2.2%上昇と7カ月ぶりに拡大。目標の2.0%に並ぶ水準から上振れた。一方、前月比は0.2%低下と半年ぶりにマイナスに沈んだ。またCPIコア指数も前年比3.3%上昇と、約2年10カ月ぶりの低水準を記録。しかしながら、短期金融市場では追加利下げへの機運は強まらず。BOEが注目するサービス価格の上昇率が鈍化したとはいえ5.2%と高い水準であり、今回もサービスインフレに注意する必要があるだろう。
英中銀金融政策委員会(MPC)では、政策金利は現行の5.00%で据え置かれるとの見方が優勢。ポイントは、11月と12月の年内残り2会合で0.25%ずつの利下げを織り込んでいる市場の期待に沿った声明内容となるかどうか。また、MPC委員の投票行動も注視される。利下げ決定の8月会合ではベイリーBOE総裁を含めた5名が5.25%から5.00%への金利引き下げを支持した一方、中銀チーフエコノミストでもあるピル委員など4名が据え置き主張と僅差だった。今回は、5月以降ハト派寄りの姿勢を示していたラムスデン副総裁の行動に注目している。
加ドルもまず、17日の8月CPIの結果を受けた動きとなるだろう。市場予想は前年比2.1%上昇と3年半ぶりの低水準が見込まれている。予想に沿った結果であればカナダ中銀(BOC)のインフレ目標2%をほぼ達成した形にもなり、来年春まで利下げを織り込む市場の見方を後押しすることになる。なお、マックレムBOC総裁は先日、さえないカナダ雇用データを受けて「さらなる利下げを予想するのは妥当」と述べた。6日発表された8月雇用統計では、新規雇用者数が2.21万人増と予想に届かず、失業率は6.6%と前回から悪化予想の6.5%より更に悪かった。
カナダCPIへの反応一巡後は、経済的な繋がりが強い米国の金融政策を受けた対ドル動向に付いて行く展開となりそう。大幅な米利下げ観測は後退したものの、今後の利下げペースへの思惑は定まっておらず、声明や経済・金利見通し、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見内容次第で値幅を伴う動きとなりそうだ。また、日銀会合に関連した報道などにも注意したい。
9月9日週の回顧
クロス円はリスクセンチメントの強弱に振らされた。ポンド円は週初に188円前半まで上昇したところから失速し、約1カ月ぶりの安値183.72円まで一時下落。加ドル円も106円台乗せで頭を抑えられ、8月5日以来の安値103.50円まで売り込まれた。
ポンドドルは1.31ドル前半から弱い英経済指標も重しに1.30ドル手前まで下押しするも、再び1.31ドル台を回復した。加ドルは原油先物の軟調さも背景に対ドルで1.36加ドル前半まで加ドル安に傾く場面があった。(了)
(小針)