週間為替展望(ポンド/加ドル)-加ドル、9月追加利下げ確実視
◆対円では、引き続き不安定な株価の動向やドル円の動きに左右
◆ポンド、追加利下げをめぐる不透明感が強く要人発言などに注目
◆加ドル、CPIの低下が継続しており追加利下げが確実視
予想レンジ
ポンド円 187.50-194.50円
加ドル円 105.50-109.50円
8月26日週の展望
来週、英国内では主な経済指標や注目のイベントは予定されておらず、不安定な動きが続く円相場や米利下げを巡るドルの動きに左右されそうだ。イングランド銀行(BOE、英中銀)の追加利下げをめぐる不透明感が強いなか、英中銀関係者らの発言などにも注意したい。
英ライトムーブの調査によると、BOEが8月会合で約4年ぶりの利下げに踏み切ったことを受けて「不動産市場は買い手の需要が上向いている」ことが明らかになった。同社は、「住宅ローン金利はまだ大幅には下がっていないものの、ローン金利が低下に向かったことは住宅の買い換え心理にプラスに働いている」との見解を示した。また、8月製造業PMIは52.5と2022年6月以来の高水準、サービス部門PMIは53.3と4月以来の高水準を記録。総合PMIも53.4と予想を上回り4月以来の高い水準となった。金融市場ではBOEが年内にあと1回か2回の追加利下げを実施すると見込んでいるが、年内の追加利下げは見送られるとの声も少なくない。8月のPMIは、成長率の上昇、雇用創出の改善、インフレ率の低下を示す内容になったものの、まだまだインフレの持続性や景気回復をめぐる不確実性が強く、データに一喜一憂する展開が続きそうだ。
なお、BOE金融政策委員会(MPC)のハスケル委員は8月末に2期目の任期を迎えるが、後任としてコロンビア大学の経済学教授アラン・テイラー氏が指名された。国際経済と金融危機を専門とする同氏は、昨年9月に米サンフランシスコ地区連銀が発表した研究で「金融引き締め政策は少なくとも12年間はその国の潜在的な経済力に影響する可能性がある」との見解を示している。今回退任するハスケル委員は金利の据え置きを主張した4人中の1人で、MPCのなかで最もタカ派的な委員とされていた。
加ドルは、9月米利下げ観測の高まりを受けて対ドルでは底堅い動きとなっているものの、カナダ中銀(BOC)も9月会合で追加利下げに踏み切ることが確実視されており、加ドルは上値の重い動きが続きそうだ。7月消費者物価指数は前年比2.5%と予想と一致し40カ月ぶりの低水準となった。インフレ圧力は弱まりつつあるが、労働市場の鈍化に対する懸念が高まっているため、市場はBOCが利下げを続けると見ている。来週は加国内で4-6月期GDPの発表が予定されている。株式市場の不安定な動きを背景とした円相場の神経質な動きや、中東情勢と米中景気動向に絡んだ原油相場の動きには引き続き注目したい。
8月19日週の回顧
今週は、米雇用統計の年次改定や7月30日-31日分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受けて米連邦準備理事会(FRB)の9月利下げ観測が高まり、全般ドルが重い動きとなった。ポンドドルは昨年7月以来の1.31ドル台まで上昇し、ドル/加ドルは小動きながら1.36加ドル割れまでドル安が進んだ。対円は株価やドル円の神経質な動きにつられるも、ポンド円は190円、加ドル円は107円を挟んで上下し方向感は出ていない。(了)
◆ポンド、追加利下げをめぐる不透明感が強く要人発言などに注目
◆加ドル、CPIの低下が継続しており追加利下げが確実視
予想レンジ
ポンド円 187.50-194.50円
加ドル円 105.50-109.50円
8月26日週の展望
来週、英国内では主な経済指標や注目のイベントは予定されておらず、不安定な動きが続く円相場や米利下げを巡るドルの動きに左右されそうだ。イングランド銀行(BOE、英中銀)の追加利下げをめぐる不透明感が強いなか、英中銀関係者らの発言などにも注意したい。
英ライトムーブの調査によると、BOEが8月会合で約4年ぶりの利下げに踏み切ったことを受けて「不動産市場は買い手の需要が上向いている」ことが明らかになった。同社は、「住宅ローン金利はまだ大幅には下がっていないものの、ローン金利が低下に向かったことは住宅の買い換え心理にプラスに働いている」との見解を示した。また、8月製造業PMIは52.5と2022年6月以来の高水準、サービス部門PMIは53.3と4月以来の高水準を記録。総合PMIも53.4と予想を上回り4月以来の高い水準となった。金融市場ではBOEが年内にあと1回か2回の追加利下げを実施すると見込んでいるが、年内の追加利下げは見送られるとの声も少なくない。8月のPMIは、成長率の上昇、雇用創出の改善、インフレ率の低下を示す内容になったものの、まだまだインフレの持続性や景気回復をめぐる不確実性が強く、データに一喜一憂する展開が続きそうだ。
なお、BOE金融政策委員会(MPC)のハスケル委員は8月末に2期目の任期を迎えるが、後任としてコロンビア大学の経済学教授アラン・テイラー氏が指名された。国際経済と金融危機を専門とする同氏は、昨年9月に米サンフランシスコ地区連銀が発表した研究で「金融引き締め政策は少なくとも12年間はその国の潜在的な経済力に影響する可能性がある」との見解を示している。今回退任するハスケル委員は金利の据え置きを主張した4人中の1人で、MPCのなかで最もタカ派的な委員とされていた。
加ドルは、9月米利下げ観測の高まりを受けて対ドルでは底堅い動きとなっているものの、カナダ中銀(BOC)も9月会合で追加利下げに踏み切ることが確実視されており、加ドルは上値の重い動きが続きそうだ。7月消費者物価指数は前年比2.5%と予想と一致し40カ月ぶりの低水準となった。インフレ圧力は弱まりつつあるが、労働市場の鈍化に対する懸念が高まっているため、市場はBOCが利下げを続けると見ている。来週は加国内で4-6月期GDPの発表が予定されている。株式市場の不安定な動きを背景とした円相場の神経質な動きや、中東情勢と米中景気動向に絡んだ原油相場の動きには引き続き注目したい。
8月19日週の回顧
今週は、米雇用統計の年次改定や7月30日-31日分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受けて米連邦準備理事会(FRB)の9月利下げ観測が高まり、全般ドルが重い動きとなった。ポンドドルは昨年7月以来の1.31ドル台まで上昇し、ドル/加ドルは小動きながら1.36加ドル割れまでドル安が進んだ。対円は株価やドル円の神経質な動きにつられるも、ポンド円は190円、加ドル円は107円を挟んで上下し方向感は出ていない。(了)