ロンドン為替見通し=複数指標や当局者発言を確かめ、午後は米金融イベント待ち

 本日のメインイベントは米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表であるが、ロンドン為替市場ではまず、複数の経済指標や欧州金融当局者の発言を確認することになる。

 欧州早朝には8月英消費者物価指数(CPI)が発表予定。英中銀は本日の金融政策委員会(MPC)で政策金利に対する投票を行い、結果は明日公表される。MPCメンバーの投票前に明らかになる8月CPIは、前年比総合が2.2%上昇と前回から横ばい見込み。一方、同比コアが3.5%と7月分から0.2ポイント加速が予想されている。

 明日の英MPCは据え置きが大方の見方であり、今回のCPIで変えられるものではないだろう。注目はMPC内での投票行動。約4年半ぶりの利下げを決定した8月会合では、5対4と僅差だった。今回のインフレ指標の内容次第では、据え置き支持が想定以上に増加との思惑が高まるかもしれない。

 ユーロ圏からも8月消費者物価指数(HICP)が発表されるが、こちらは改定値。前年比総合は2.2%、同コアが2.8%上昇と速報値から変わりなしが大方の見込み。それよりも、複数の欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーの発言内容が注視されそうだ。オーストリアとクロアチアの中銀総裁が欧州午前、昼過ぎには独連銀総裁が講演予定。各国中銀総裁の見解から、来月の理事会につながるヒントを探すことになる。

 その他、南アフリカからも8月CPI(予想:前月比0.2%/前年比4.5%)が公表予定。前年比が予想通りであれば、2021年4月以来の水準までインフレが鈍化することになる。明日の南ア準備銀行(SARB、中央銀行)では利下げが確実視されている。足もとのCPI減速が確認されれば、金利引き下げ幅の拡大、または緩和ペースの速まりなどが意識されそうだ。

想定レンジ上限
・ユーロドル、8月26日高値1.1202ドル
・ポンドドル、8月27日高値1.3266ドル

想定レンジ下限
・ユーロドル、11日から17日まで上昇した61.8%押し1.1057ドル
・ポンドドル、11日から17日まで上昇した61.8%押し1.3089ドル

(小針)
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