ロンドン為替見通し=前半は日銀総裁会見を受けた円相場が中心に

 本日のロンドン為替市場では、前半は植田日銀総裁の定例記者会見を受けて反応するであろう円相場が中心の値動きか。ドル円主導だろうが、ユーロ円などクロス円も値幅を伴った動きが想定される。

 日銀は19-20日の金融政策決定会合で、市場の予想通りに政策金利の据え置きを決定した。今後の日銀の政策に対して市場では、年末までに追加利上げが実施されると見る向きが多い。本日の会見では植田総裁も、これまで通りのタカ派的な見解を示す可能性は高そうだ。日本株が(米大幅利下げのおかげではあるものの)堅調さを取り戻しているため、日銀総裁もこれまでのスタンスを継続しやすいだろう。

 なお、今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で通常の変動幅の倍にあたる0.50%の政策金利引き下げが決定された。これについての植田日銀総裁の見解も注目ポイントの1つか。仮にではあるが、米国のせいで日本は利上げしづらくなった感を匂わせるようなら、円売りに走る投機筋が出てくるかもしれない。

 また植田総裁と記者の質疑応答では、自民党総裁選や新政権についての質問もでそうだ。ただし、中銀トップが見通しの立たない選挙について意見を述べるとは思えず、明確な答えは期待できないだろう。

 ほか、日銀総裁の会見前に8月英小売売上高が発表予定。総じてプラス予想ではあるが、前回から横ばいまたは下回る結果が予想されている。同月消費者物価指数(CPI)や英中銀の金融イベントを通過し、ポンドは対ドルで底堅さを維持。小売売上高が想定より強ければ、昨日のようにポンドドルは上値余地を試すことになるか。

想定レンジ
・ユーロ円、19日高値159.97円や節目160円を超えるようだと4日高値160.89円
・ポンドドル、2022年3月3日高値1.3418ドル

想定レンジ下限
・ユーロ円、19日安値157.78円
・ポンドドル、ピボット・サポート1の1.3187ドル


(小針)
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