欧州マーケットダイジェスト・23日 株高・ユーロ安・円高

(23日終値:24日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=143.40円(23日15時時点比▲0.71円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=159.47円(▲1.40円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1120ドル(▲0.0043ドル)
FTSE100種総合株価指数:8259.71(前営業日比△29.72)
ドイツ株式指数(DAX):18846.79(△126.78)
10年物英国債利回り:3.923%(△0.020%)
10年物独国債利回り:2.156%(▲0.052%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
       <発表値>    <前回発表値>
9月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値
        44.0       43.9
9月仏サービス部門PMI速報値
        48.3       55.0
9月独製造業PMI速報値
        40.3       42.4
9月独サービス部門PMI速報値
        50.6       51.2
9月ユーロ圏製造業PMI速報値
        44.8       45.8
9月ユーロ圏サービス部門PMI速報値
        50.5       52.9
9月英製造業PMI速報値
        51.5       52.5
9月英サービス部門PMI速報値
        52.8       53.7

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは下げ渋り。仏・独・ユーロ圏の9月製造業・サービス部門購買担当者景気指数(PMI)速報値が軒並み予想より弱い内容だったことが分かると、欧州景気の不透明感が意識されてユーロ売りが先行した。17時過ぎには一時1.1083ドルと日通し安値を更新した。市場では「欧州中央銀行(ECB)が追加利下げを前向きに検討する可能性が意識された」との声が聞かれた。
 ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢となり下げ幅を縮めた。欧州入り後に急ピッチで下落した反動が出て、23時30分過ぎには1.1143ドル付近まで下値を切り上げた。欧州主要株式相場の底堅さを支えにユーロ買い・ドル売りが入った面もあったようだ。

・ドル円は戻りが鈍かった。20時過ぎに一時143.17円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢となった。カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁が「今後の利下げは小幅なステップを見込む」と述べたことや、ボスティック米アトランタ連銀総裁が「今回の会合での0.50%利下げは将来の利下げのペースを確定させるものではない」と発言したことを受けた。米長期金利の上昇に伴う円売り・ドル買いが出ると一時144.34円付近まで値を上げた。
 ただ、アジア時間に付けた日通し高値144.46円が目先レジスタンスとして意識されると失速した。米長期金利が低下に転じたことも相場の重しとなり、2時30分過ぎには143.26円付近まで下押しした。グールズビー米シカゴ連銀総裁が「今後1年でさらに多くの利下げを予想」「先週のFRBの0.50%利下げを支持」「金利は大幅に低下する必要がある」と話したことも相場の重し。
 なお、本日発表の9月米製造業PMI速報値は予想を下回った一方、9月米サービス部門PMI速報値は予想を上回るなど強弱入り混じる結果となった。

・ユーロ円も戻りが鈍い。ユーロ圏経済指標の悪化をきっかけに一時159.05円と本日安値を付けたものの、23時過ぎには160.53円付近まで持ち直した。ただ、買い戻しが一巡すると再び弱含み、159.37円付近まで押し戻された。

・ロンドン株式相場は反発。9月英製造業・サービス部門PMI速報値が予想を下回ると、英景気の不透明感が意識されて売りが出た。ただ、米国株相場が底堅く推移すると英株にも買いが波及し持ち直した。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が買われたほか、リオ・ティントやグレンコアなど素材株が値上がりした。半面、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が売られた。

・フランクフルト株式相場は反発。9月独製造業・サービス部門PMI速報値が予想を下回ると、景気の先行き不透明感が意識されて売りが出たものの、引けにかけては強含んだ。米国株相場が上昇したことなどが相場を下支えした。個別ではザランド(3.17%高)やシーメンス・エナジー(2.88%高)、RWE(2.77%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は上昇。ユーロ圏経済指標の悪化をきっかけに欧州経済の不透明感が意識されて、相対的に安全な資産とされる独国債に買いが入った。

(中村)
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