欧州マーケットダイジェスト・19日 独株最高値・金利上昇・ユーロ底堅い

(19日終値:20日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=142.91円(19日15時時点比△0.36円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=159.51円(△0.83円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1161ドル(△0.0030ドル)
FTSE100種総合株価指数:8328.72(前営業日比△75.04)
ドイツ株式指数(DAX):19002.38(△290.89)
10年物英国債利回り:3.891%(△0.044%)
10年物独国債利回り:2.198%(△0.008%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
       <発表値>    <前回発表値>
7月ユーロ圏経常収支
季調済  396億ユーロの黒字 505億ユーロの黒字
英中銀(BOE)、政策金利
     5.00%で据え置き    5.00%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円はもみ合い。日本時間夕刻に一時142.04円付近まで下げたものの、アジア時間に付けた日通し安値141.89円が目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。欧州株相場の上昇を背景に投資家のリスク志向改善を意識した円売り・ドル買いも出た。
 NYの取引時間帯に入ると、前週分の米新規失業保険申請件数や9月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数が予想より強い内容だったことを受けて、22時過ぎに一時143.77円付近まで上昇。ただ、アジア時間に付けた日通し高値143.95円が目先レジスタンスとして意識されると失速した。0時30分前には142.73円付近まで下押ししている。
 なお、23時発表の8月米景気先行指標総合指数は予想を上回った一方、8月米中古住宅販売件数は予想を下回るなど強弱入り混じる結果となった。

・ポンドドルは堅調。英中銀(BOE)はこの日、政策金利を現行の5.00%に据え置くとともに、1000億ポンドの保有国債減額を今後1年継続することを決めた。また、ベイリーBOE総裁は声明で「インフレ圧力の低下により今後数カ月で段階的な利下げが可能」としながらも、「インフレが低水準を維持することが極めて重要で、早期や過度の利下げにならないよう注意する必要がある」と指摘した。その後メディアに対しては、「英サービスインフレは依然として高い」「金利は緩やかに下がる道筋だが、一段の証拠が必要」などと話した。
 市場では「BOEが先行きの利下げを慎重に判断していく」との受け止めから、ポンド買い・ドル売りが優勢に。20時過ぎに一時1.3314ドルと2022年3月以来約2年半ぶりの高値を更新した。

・ユーロドルは底堅い動き。独株式指数(DAX)が史上最高値を更新するなど、欧州株相場が堅調に推移するとリスク・オンのユーロ買い・ドル売りが優勢となった。前日に米連邦準備理事会(FRB)が大幅利下げを決めたのを受けて、ユーロ買い・ドル売りが入りやすい面もあり、19時前に一時1.1179ドルと日通し高値を更新した。
 ただ、前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表後に付けた高値1.1189ドルがレジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。この日発表の米経済指標が良好な内容となったことも相場の重しとなり、1.1117ドル付近まで下押しした。

・ユーロ円は日本時間夕刻に一時158.34円付近まで下げたものの、欧州勢参入後は底堅く推移した。19時30分過ぎには159.97円と4日以来の高値を付けた。そのあとは158.83円付近まで下押しする場面もあったが、売り一巡後は再び強含み159円台半ばまで持ち直している。

・ロンドン株式相場は反発。米大幅利下げが投資家心理の改善につながり、運用リスクをとって株式を買う動きにつながった。一方、英中銀は市場予想通り政策金利の据え置きを決めた。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が買われたほか、BPやシェルなどエネルギー株が値上がりした。

・フランクフルト株式相場は大幅に反発し、史上最高値を更新した。米大幅利下げを背景に、運用リスクを取りやすくなった投資家の買いが広がった。個別ではハイデルベルク・マテリアルズ(4.41%高)やバイエル(3.74%高)、エアバス(3.70%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は下落。米債安につれた。

(中村)
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