ニューヨーク外国為替市場概況・27日 ドル円、3日ぶり大幅反落

 27日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3営業日ぶりに大幅反落。終値は142.21円と前営業日NY終値(144.81円)と比べて2円60銭程度のドル安水準だった。自民党総裁選で石破茂元幹事長が勝利したことを背景に円高が急速に進んだ東京市場の流れを引き継いだ。市場では「石破氏の勝利が日銀による追加利上げの道を開いた」との声が聞かれたほか、「自民党総裁選で日銀の利上げに批判的な高市早苗氏が勝利するとの思惑から膨らんでいた円売りポジションを解消する動きが広がった」との指摘があった。
 NY市場では8月米個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)が前年比2.2%と予想の2.3%を下回り、変動が激しい食品とエネルギーを除くコアデフレーターが前月比で予想を下回ったことを受けてドル売りも活発化。米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.73%台まで低下したことが相場の重しとなり、4時30分過ぎには一時142.07円と20日以来の安値を付けた。ナイト・セッションの日経平均先物が大証終値比2560円安の3万7290円まで急落したことも円買い・ドル売りを誘った。
 なお、石破自民党新総裁がテレビ番組で「政府と日銀は緊密に協力すべき、金融政策に関して日銀に要請はしない」「緩和的な金融政策の方針は変わらない」と述べたと伝わると、日経平均先物の下げ渋りとともに143.08円付近まで買い戻される場面もあったが、反応は一時的だった。

 ユーロドルは小反落。終値は1.1162ドルと前営業日NY終値(1.1177ドル)と比べて0.0015ドル程度のユーロ安水準だった。米インフレ指標の結果が「米国のインフレの落ち着きを示した」と受け止められるとユーロ買い・ドル売りが先行。22時過ぎに一時1.1203ドルと日通し高値を付けた。
 ただ、25日の高値1.1214ドルが目先レジスタンスとして意識されると徐々に上値が重くなり、一時1.1146ドル付近まで下押しした。欧州時間発表のフランスやスペインの9月消費者物価指数(CPI)速報値が予想より弱い内容となり、欧州中央銀行(ECB)が追加利下げに動きやすくなるとの見方が広がる中、ユーロ売りが出やすい面もあった。

 ユーロ円は4日ぶりに急反落。終値は158.79円と前営業日NY終値(161.86円)と比べて3円07銭程度のユーロ安水準。自民党総裁選での石破氏勝利を受けて、日銀の追加利上げ観測が再燃すると全般円買いが進んだ。日経平均先物の急落に伴うリスク回避の円買いも入ると、3時30分過ぎに一時158.57円と日通し安値を更新した。

本日の参考レンジ
ドル円:142.07円 - 146.49円
ユーロドル:1.1125ドル - 1.1203ドル
ユーロ円:158.57円 - 163.49円

(中村)
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