欧州マーケットダイジェスト・9日 株高・ドル高・円安

(9日終値:10日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=149.16円(9日15時時点比△0.57円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.15円(△0.11円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0939ドル(▲0.0034ドル)
FTSE100種総合株価指数:8243.74(前営業日比△53.13)
ドイツ株式指数(DAX):19254.93(△188.46)
10年物英国債利回り:4.180%(▲0.004%)
10年物独国債利回り:2.257%(△0.014%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
       <発表値>    <前回発表値>
8月独貿易収支
    225億ユーロの黒字 169億ユーロの黒字・改

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は堅調。米利下げペースが緩やかになるとの見方が広がる中、米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.0706%前後と7月31日以来の高水準を記録すると円売り・ドル買いが先行。中国の財政政策に対する期待感や堅調な欧州株を背景に投資家のリスク志向が改善すると円売り・ドル買いが活発化し、7日の高値149.13円を上抜けて一時149.30円まで上値を伸ばした。なお、市場では「8月16日の高値149.35円や15日の高値149.39円がレジスタンスとして意識されている」との声が聞かれた。

・ユーロドルは弱含み。ユーロ圏景気への懸念から、欧州中央銀行(ECB)が17日の定例理事会で追加利下げを決めるとの観測が引き続きユーロの重しとなった。米長期金利の上昇を背景にユーロ売り・ドル買いが優勢になると、2時30分前に一時1.0937ドルと日通し安値を更新した。
 なお、ビルロワドガロー仏中銀総裁は「ECBは来週、利下げの可能性が非常に高い」と述べたほか、カジミール・スロバキア中銀総裁は「次回利下げの可能性を排除することはできない」などと発言。また、カザークス・ラトビア中銀総裁は「経済が弱いため利下げは必要」などと語った。

・ユーロ円は底堅い動き。日本時間夕刻に一時162.39円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。1時前には163.46円と日通し高値を更新した。ドル円の上昇につれた買いが入ったほか、欧米株高を背景にリスク・オンの円売り・ユーロ買いが出た。

・ロンドン株式相場は反発。前日の米国株や本日の日本株相場の上昇を受けて英株にも買いが波及した。中国当局が12日に財政政策関連で記者会見を開くと伝わり、追加政策への期待から買いが入った面もあった。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が買われたほか、バークレイズなど金融株が値上がりした。

・フランクフルト株式相場は3日ぶりに反発。前日の米国株や本日の日本株相場の上昇を受けて独株にも買いが波及した。中国の政策期待が投資家心理を支えた面もあった。個別ではコンチネンタル(7.23%高)やハイデルベルク・マテリアルズ(2.61%高)、インフィニオン・テクノロジーズ(2.44%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は英国債が上昇した一方、独国債が下落した。

(中村)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。