東京為替見通し=ドル円、150円を巡る本邦通貨当局の対応に要警戒か

 14日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、ダウ平均が連日で史上最高値を更新し、ナイト・セッションの日経平均先物が40150円まで上昇したことなどで149.98円まで上昇した。ユーロドルは17日の欧州中央銀行(ECB)理事会での追加利下げ観測などから1.0888ドルまで下落。ユーロ円は日米株価指数の上昇を背景に163.60円まで上昇した。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、150円のオプションを巡る攻防戦や本邦通貨当局の円安抑制措置に注目する展開が予想される。

 ドル円は、米連邦準備理事会(FRB)の大幅な追加利下げ観測の後退や日銀による早期の追加利上げ観測の後退などから、161.95円から139.58円までの下落幅(22.37円)の半値戻し150.77円を目指す上昇基調にある。

 さらに、リスク選好要因となる中国政府による財政支援措置に関しては、12日に藍仏安中国財政相が、中国共産党政治局が9月26日の会議で決めた方針に基づき、財政部が4方面で一連の追加政策を打ち出すと発表し、低迷する経済のテコ入れへ国債発行を「大幅に」拡大する方針を示した。そして、中国メディアの財新が中国は超長期の特別国債を向こう3年間で6兆元(約127兆円)発行する可能性があると報じており、本日は、関連ヘッドラインに警戒しながら、上海株式市場や東京株式市場の反応を注視しておきたい。

 ドル円の上値を抑える要因としては、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性、「オクトーバー・サプライズ」となりかねない中東の地政学リスクの高まりなどが挙げられる

 本日公示される衆院選の争点が物価高対策となっていることで、石破政権は、輸入物価上昇の要因となる円安の抑制を徹底すると思われる。
 これまで、三村財務官や加藤財務相が「投機的な動きを含めて為替市場の動向を注視する」と円安を牽制し、為替介入の助言役を担っている神田内閣官房参与(前財務官)が「為替市場、引き続き高い緊張感持って警戒続けていく」と述べており、150円台に向けた買い仕掛けを牽制してきている。

 イスラエルは先週10日に安全保障閣議を開催しており、アメリカメディアは「標的はイランの軍事およびエネルギー施設になる」という当局者の見方を報じている。
 最悪の事態としてのイラン核施設への攻撃は避けられる模様だが、OPEC第3位の産油国であるイランの石油関連施設への攻撃は、イランによるホルムズ海峡(日量2000万バレル超の原油が通過)封鎖という報復措置が警戒されるため、石油ショックの可能性を高めることになる。

(山下)
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