株式明日の戦略-39000円割れは回避も終日軟調、引き続き半導体株の動向を注視

 16日の日経平均は5日ぶり大幅反落。終値は730円安の39180円。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり354/値下がり1246。防衛関連の三菱重工やIHIが逆行高。フジクラが強かったほか、三菱UFJ、みずほなど金融株の一角にしっかりとした動きが見られた。証券会社の投資判断引き上げを材料に建設大手の大林組と大成建設が大幅上昇。決算が好感された銘柄には強い買いも入っており、パルGHDやIDOMが急伸した。上方修正と増配を発表した古野電気は、場中に値が付かずストップ高比例配分となった。

 一方、レーザーテックが13.4%安、SCREEN、コクサイエレが9.3%安、東京エレクトロンが9.2%安と、半導体株の多くがプライムの値下がり率上位にランクインした。高島屋の通期見通し修正を受けてインバウンド需要の減速が意識され、三越伊勢丹、Jフロントなど百貨店株や、資生堂、コーセーなど化粧品株が大きく売られた。決算を材料にディップやヨシムラフードが大幅安。売り出しを発表したウェザーニューズが急落した。

 本日、スタンダード市場に新規上場した日水コンは、公開価格割れからのスタートとなったものの、終値は初値を上回った。

 日経平均は大幅安。ただ、東京エレクトロンのマイナス寄与が1銘柄で約242円あり、半導体株以外の銘柄は比較的落ち着いていた。さしあたっては、本日の米国の半導体株の動向が注目される。ASMLの決算に関しては、イレギュラーで1日早く出てきたことが市場の動揺を大きくしたようにも見える。エヌビディアのほか、15日に急落したアプライド・マテリアルズやラム・リサーチが一段安とならなければ、半導体株売りは一時的にとどまるかもしれない。一方、あす17日にはTSMCやディスコが決算発表を予定している。きょうもエヌビディアなどが弱かった場合、半導体株に対する警戒が高まることで、全体にもネガティブな影響が及びやすい。日経平均のきょうの終値は39180円。前日の取引時間中に40000円を上回ったにもかかわらず、間を置かず39000円を割り込んでしまうと天井感が出てきてしまう。半導体株に対する売り圧力が和らぐか、日経平均が39000円より上で推移できるかが、あすの焦点となる。
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