ニューヨーク外国為替市場概況・23日 ドル円、3日続伸

 23日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3日続伸。終値は152.76円と前営業日NY終値(151.08円)と比べて1円68銭程度のドル高水準だった。米利下げ観測の後退を背景に米長期金利が上昇すると全般ドル買いが先行。21時30分前に一時153.19円と7月31日以来の高値を更新した。「衆院選での自民・公明与党の苦戦が予想されるなど政局不安が高まる中で、月末の日銀金融政策決定会合で利上げは実施されづらいだろう」との思惑が浮上し、円売りを誘った面もあった。
 なお、米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.2556%前後と7月26日以来約3カ月ぶりの高水準を記録。11月の米大統領選挙でトランプ前大統領が優勢との見方が強まる中、米金利の上昇が続いた。
 もっとも、153円台では利食い売りなどが出たため、滞空時間は短かった。ダウ平均が一時600ドル超下落したほか、ナイト・セッションの日経平均先物が大証終値比430円安の3万7640円まで下げたことが相場の重しとなり、3時30分前には152.48円付近まで下押しした。

 ユーロドルは小幅ながら3日続落。終値は1.0782ドルと前営業日NY終値(1.0799ドル)と比べて0.0017ドル程度のユーロ安水準だった。米利下げ観測が後退する一方、ユーロ圏では低迷する経済を支えるため、欧州中央銀行(ECB)が12月に大幅利下げを実施するとの見方が強まっており、ユーロ売り・ドル買いが優勢になった。21時30分前には一時1.0761ドルと7月3日以来の安値を更新した。
 ただ、米長期金利の上昇が一服すると下げ渋った。引けにかけては1.0787ドル付近まで下げ幅を縮める場面があった。
 なお、米連邦準備理事会(FRB)はこの日公表した米地区連銀経済報告(ベージュブック)で「米経済活動はほぼ全ての地区で前回から横ばいとなった」と総括。2地区が「緩やかな成長」と報告し、「ほとんどの地区では製造活動が縮小した」と指摘した。

 ユーロ円は3日続伸。終値は164.69円と前営業日NY終値(163.17円)と比べて1円52銭程度のユーロ高水準。東京市場からの円売りの流れが継続し、23時30分前に一時165.02円と7月31日以来の高値を付けたが、買い一巡後は伸び悩んだ。ドル円の上げ幅縮小や日米株価指数の下落が相場の重しとなり、3時30分前に164.30円付近まで上値を切り下げた。

本日の参考レンジ
ドル円:151.03円 - 153.19円
ユーロドル:1.0761ドル - 1.0807ドル
ユーロ円:163.05円 - 165.02円

(中村)
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