ニューヨーク外国為替市場概況・8日 ユーロドル、反落

 8日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは反落。終値は1.0718ドルと前営業日NY終値(1.0805ドル)と比べて0.0087ドル程度のユーロ安水準だった。米長期金利の低下などを手掛かりにユーロ買い・ドル売りが先行すると20時30分過ぎに1.0797ドル付近まで値を戻したものの、アジア時間に付けた日通し高値1.0807ドルが目先レジスタンスとして意識されると失速した。欧州株相場の下落を背景にリスク・オフのユーロ売り・ドル買いが出たほか、11月米ミシガン大学消費者態度指数速報値が予想より強い結果となり、米長期金利が低下幅を縮小したことも相場の重しとなった。前日の安値1.0713ドルを下抜けると一時1.0687ドルまで値を下げた。
 ドイツではショルツ首相率いる与党連合が崩壊したことから、「ユーロ圏経済に及ぼす影響について市場の解釈が進む中、欧州景気への懸念がくすぶる」との声が聞かれた。また、ショルツ氏はこれまで3月の総選挙実施を目指す意向を明らかにしていたが、1月の実施を求める圧力が高まっていることを受けて、「早期総選挙の実施時期について話し合う用意がある」との見解を示した。なお、世論調査によると「有権者の3分の2が早期の選挙実施を望んでおり、経済団体は政治的混乱の終結を求めている」という。

 ドル円は続落。終値は152.64円と前営業日NY終値(152.94円)と比べて30銭程度のドル安水準だった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.26%台まで低下すると円買い・ドル売りが先行。20時過ぎに一時152.14円と日通し安値を付けた。
 ただ、売り一巡後は下げ渋る展開に。米ミシガン消費者態度指数が予想を上回ったことや米10年債利回りが4.31%台まで低下幅を縮めたことが相場を下支えした。市場では「200日移動平均線が位置する151.68円付近が重要なサポートとして意識されている」との声が聞かれた。

 ユーロ円も続落。終値は163.61円と前営業日NY終値(165.25円)と比べて1円64銭程度のユーロ安水準。独連立政権崩壊でユーロ圏景気への懸念が意識される中、全般ユーロ売りが進んだ。2時過ぎには一時163.21円と日通し安値を更新した。なお、ユーロポンドは0.8292ポンド、ユーロカナダドルは1.4883カナダドル、ユーロスイスフランは0.9367スイスフランまで値を下げた。

本日の参考レンジ
ドル円:152.14円 - 153.37円
ユーロドル:1.0687ドル - 1.0807ドル
ユーロ円:163.21円 - 165.43円

(中村)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。