欧州マーケットダイジェスト・12日 株安・金利上昇・ドル高

(12日終値:13日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=154.78円(12日15時時点比△1.17円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=164.17円(△0.75円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0607ドル(▲0.0032ドル)
FTSE100種総合株価指数:8025.77(前営業日比▲99.42)
ドイツ株式指数(DAX):19033.64(▲414.96)
10年物英国債利回り:4.499%(△0.074%)
10年物独国債利回り:2.362%(△0.035%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
       <発表値>    <前回発表値>
10月独消費者物価指数(CPI)改定値
(前月比)    0.4%      0.4%
(前年同月比)  2.0%      2.0%
10月英雇用統計
失業率      4.7%      4.7%
失業保険申請件数
        2.67万件   1.01万件・改
7-9月英失業率
(ILO方式)    4.3%      4.0%
11月独ZEW景況感指数
         7.4       13.1
11月ユーロ圏ZEW景況感指数
         12.5       20.1

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは軟調。独連立政権崩壊でユーロ圏景気への懸念が意識される中、11月独ZEW景況感指数が予想を下回ったことが分かると全般ユーロ売りが先行。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.44%台まで上昇するとドル買いも活発化し、4月16日の安値1.0601ドルを下抜けて一時1.0595ドルと昨年11月以来約1年ぶりの安値を更新した。市場では「トランプ・トレードの継続と独政局不安で下サイドへの警戒感が強い」との声が聞かれた。

・ポンドドルは一時1.2719ドルと8月8日以来約3カ月ぶりの安値を付けた。全般ドル買いが進む中、この日発表の7-9月英失業率(ILO方式)が4.3%と予想の4.1%より弱い内容となったことが相場の重しとなった。

・ドル円は強含み。米長期金利の上昇を手掛かりに円売り・ドル買いが先行。レジスタンスとして意識されていた7日の高値154.71円を上抜けると一時154.92円と7月30日以来の高値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時106.18と5月1日以来の高値を付けた。
 トランプ次期政権が掲げる関税引き上げや減税などの景気刺激策を巡り、市場では「インフレ再燃」への警戒感が高まっており、米金利先高観を背景にドルが買われやすい地合いとなっている。

・ユーロ円は強含み。ドル円の上昇につれた円売り・ユーロ買いが出ると、3時過ぎに一時164.23円と日通し高値を更新した。

・ロンドン株式相場は反落。この日発表の英平均賃金の上昇率が予想を上回ると、英中銀(BOE)が利下げを進めにくくなるとの見方から株売りが優勢となった。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が売られたほか、HSBCやバークレイズなど金融株が値下がりした。

・フランクフルト株式相場は大幅に反落。独連立政権崩壊で景気への懸念が意識される中、11月独ZEW景況感指数が予想を下回ったことが相場の重しとなった。個別ではバイエル(14.50%安)やブレンターク(8.16%安)、BASF(4.28%安)などの下げが目立ち、インフィニオン・テクノロジーズ(3.66%高)などを除く35銘柄が下落した。

・欧州債券相場は下落。米債安につれた。

(中村)
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