欧州マーケットダイジェスト・21日 株高・金利低下・円高

(21日終値:22日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=154.44円(21日15時時点比▲0.73円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.96円(▲1.69円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0487ドル(▲0.0060ドル)
FTSE100種総合株価指数:8149.27(前営業日比△64.20)
ドイツ株式指数(DAX):19146.17(△141.39)
10年物英国債利回り:4.443%(▲0.026%)
10年物独国債利回り:2.318%(▲0.033%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
       <発表値>    <前回発表値>
11月仏企業景況感指数
         96        97
11月ユーロ圏消費者信頼感指数
(速報値)   ▲13.7      ▲12.5

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは軟調。「ロシアが大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射した」と伝わると、ロシアとウクライナを巡る地政学リスクへの懸念からユーロ売り・ドル買いが優勢となった。ユーロ圏経済の先行き不透明感から欧州中央銀行(ECB)が12月に追加利下げを決めるとの見方も根強く、ユーロ売りが出やすい面もあった。前日の安値1.0507ドルや14日の安値1.0497ドルを下抜けると目先のストップロスを巻き込んで、一時1.0462ドルと昨年10月4日以来の安値を更新した。11月ユーロ圏消費者信頼感速報値が▲13.7と予想の▲12.4を下回ったことも相場の重し。

・ドル円は弱含み。ロシアが攻撃の一環としてICBMを使用したと伝わると、ウクライナとロシアの戦闘激化に対する警戒が高まった。高く始まった米国株相場が失速したタイミングでリスク・オフの円買い・ドル売りが強まったほか、米長期金利の低下に伴うドル売りが出ると一時153.91円と日通し安値を付けた。
 ただ、売り一巡後は下げ渋る展開に。米長期金利が上昇に転じたことなどを手掛かりに全般ドルを買い戻す動きが広がると、2時30分前に154.69円付近まで下値を切り上げた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時107.16と昨年10月4日以来の高値を更新した。
 なお、この日発表の11月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数や10月米景気先行指標総合指数は予想を下回った一方、前週分の米新規失業保険申請件数や10月米中古住宅販売件数は予想より強い内容となるなど、強弱入り混じる結果となった。

・ユーロ円はさえない展開。ロシアとウクライナを巡る地政学リスクへの警戒からリスク回避の円買い・ユーロ売りが優勢となった。2時過ぎに一時161.75円と日通し安値を更新した。なお、直近安値である19日の安値161.50円が下値の目途として意識される。

・ロンドン株式相場は3日ぶりに反発。前日までの続落を受けて自律反発狙いの買いが入ったものの、ウクライナとロシアの緊張の高まりが投資家心理の重しとなり上値は限定的となった。BPやシェルなどエネルギー株が買われたほか、ハルマやセイジ・グループなど情報技術セクターが値上がりした。

・フランクフルト株式相場は5日ぶりに反発。足もとで相場下落が続いたあとだけに短期的な戻りを期待した買いが入った。ただ、ウクライナとロシアの戦闘激化への警戒感が投資家心理の重しとなり、相場の上値を抑えた。個別ではシーメンス・エナジー(3.62%高)やキアゲン(3.55%高)、ハノーバー再保険(2.55%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は上昇。ロシアとウクライナを巡る地政学リスクの高まりを警戒し、相対的に安全資産とされる独国債が買われた。

(中村)
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