ロンドン為替見通し=トランプ関税によるリスクを懸念した値動きか

 本日のロンドン為替市場では、依然としてトランプ関税によるリスクを懸念した値動きか。トランプ次期米大統領から今のところ、欧州との貿易について言及はない。しかしながらユーロ円は、全般強まったリスク回避の円買いの流れに沿って159円後半までユーロ安円高が進行している。昨日も独経済相や欧州金融当局者らが貿易摩擦を危惧する発言をしており、何を言い出すか分からないトランプ氏への警戒感は根強いということだろう。

 なお、トランプ次期米大統領は現地時間26日、米通商代表部(USTR)代表にジェイミーソン・グリア元USTR首席補佐官を指名。グリア氏はトランプ第1次政権で、中国などとの貿易交渉で重要な役を担っていた。当時の対中関税について同氏は、中国への依存度を下げることができたと評価し、インフレへの大きな影響はなかったとの見解を示している。

 欧州時間の主な経済指標は11月仏消費者信頼感指数(予想:93)と12月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲18.6)のみ。どちらも相場インパクトは高くないものの、マイナス幅が前回よりやや広がるとの予想の独指数は気にかけておきたい。

 なお本日はスポット応当日が今月の最終営業日(スポ末)にあたり、通常であれば実需フローがでやすい。特段の材料がなくても上下に振らされる場面はありそうだ。特段大きな動きが欧州前半になければ、ニューヨーク勢の参入後に発表される10月米PCEデフレーターなどの重要指標の発表待ちとなる。


想定レンジ上限
・ユーロドル、21日高値1.0555ドル
・ユーロ円、本日アジア午前の高値160.71円

想定レンジ下限
・ユーロドル、昨日安値1.0425ドル
・ユーロ円、10月2日安値158.71円



(小針)
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