NYマーケットダイジェスト・3日 株高安まちまち・円行って来い

(3日終値)
ドル・円相場:1ドル=149.60円(前営業日比横ばい)
ユーロ・円相場:1ユーロ=157.20円(△0.15円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0509ドル(△0.0011ドル)
ダウ工業株30種平均:19480.91ドル(▲76.47ドル)
ナスダック総合株価指数:19480.91(△76.96)
10年物米国債利回り:4.22%(△0.03%)
WTI原油先物1月限:1バレル=69.94ドル(△1.84ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2667.9ドル(△9.4ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標) 
   <発表値>    <前回発表値>
10月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数   
     774.4万件     737.2万件・改

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は横ばい。韓国の尹錫悦大統領が非常戒厳を宣言したことをきっかけに韓国ウォンが急落すると、リスクオフの円買いが活発化。節目の149円を割り込み、一時148.65円と10月11日以来の安値を付けた。ただ、10月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数が予想を上回る結果だったことが伝わると下げ渋り。韓国当局者が「必要に応じ市場に無制限の流動性を供給する」と表明したほか、韓国で開かれた臨時国会で「戒厳令解除の決議案」が満場一致で可決されると149円台半ばまで持ち直した。その後149円を割り込む場面も見られたが、韓国大統領が非常戒厳を解除すると再び強含むなど下値は堅かった。

・ユーロ円は3営業日ぶりに小反発。韓国大統領による非常戒厳宣言を受けて円が全面高となり、ユーロ円は一時156.18円まで急落した。もっとも、「戒厳令解除の決議案」の可決を受けて過度な警戒感が後退すると157.20円台まで下げ幅を縮めた。

・ユーロドルは小反発。ユーロ円が下落したタイミングで1.0493ドル付近まで下げたが、ユーロ円が下げ渋ると買い戻しが入り1.0535ドルまで切り返した。ただ、NY時間の値幅は42pipsと狭く、総じて動きが鈍かった。
 なお、マクロン仏大統領はバルニエ内閣の不信任決議が成立すれば大統領も辞任するとの見方を否定し、任期の2027年まで職務を全うする姿勢を示したが、ユーロ相場への影響は限られた。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に続落。昨日に引き続き上値では利益確定売りが出たが、下値も限定的だった。週末の11月米雇用統計をはじめ、米重要指標の発表を控えるなか、相場は様子見ムードが広がった。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指は3日続伸した。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数とともに連日で史上最高値を更新した。

・米国債券相場で長期ゾーンは続落。韓国の尹大統領が戒厳令を宣言するとリスクオフムードが広がり安全資産とされる債券需要が高まった。利回りは一時4.16%台まで低下する場面があったが、議会で「戒厳令解除の決議案」が可決されると一転下落。韓国大統領が非常戒厳を解除すると利回りは4.23%台まで上昇した。

・原油先物相場は大幅に続伸。エネルギー消費大国である中国で追加景気対策への期待感が高まるなか、時間外から原油先物は上昇。5日開催の石油輸出国機構(OPEC)プラス会合では「現行の協調減産が来年3月末まで延長される可能性が高い」、との一部報道を受けて買いの勢いが強まった。一時70.20ドル台まで上値を伸ばしている。

・金先物相場は反発。韓国の尹大統領が戒厳令を宣言し、リスク回避ムードの強まりを受けて金に資金が向かった。10月米JOLTS求人件数が予想より強かったことや、「戒厳令解除の決議案」が韓国議会で可決されると上昇幅を縮小。しかしながら、為替がドル安ユーロ高に振れたことがドル建て金の支えとなった。


(越後)
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