ニューヨーク外国為替市場概況・4日 ドル円、上昇

 4日のニューヨーク外国為替市場でドル円は上昇。終値は150.59円と前営業日NY終値(149.60円)と比べて99銭程度のドル高水準だった。日銀の早期利上げ観測後退を背景にした買いが続き、22時前後に一時151.23円と本日高値を付けた。ただ、11月ADP全米雇用報告が予想をやや下回ると伸び悩み。比較的ハト派的な立場のムサレム米セントルイス連銀総裁が「金利引き下げのペースが鈍化もしくは停止する時期が近づいている可能性」と発言し、米10年債利回りが4.27%台まで上昇幅を拡大すると再び強含んだが、上値は限定的だった。11月米ISM非製造業景況指数が予想より弱い内容だったことが伝わると、米金利の一転低下とともに失速。一時150.00円付近まで売りに押された。
 一方で、150円割れを死守し、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長から「米国経済は現在、驚くほど良好な状態」「経済と金融政策の現状に非常に満足」との発言が伝わると買い戻しの動きに。米国株が引けにかけて上げ幅を拡大したことも支えとなり150.60円台まで持ち直した。

 ユーロドルは小幅に続伸。終値は1.0511ドルと前営業日NY終値(1.0509ドル)と比べて0.0002ドル程度のユーロ高水準だった。セントルイス連銀総裁のタカ派発言を受けて昨日安値の1.0481ドルを下抜けて1.0473ドルまで値を下げた。ただ、売りも続かず、低調なISM非製造業景況指数をきっかけに一転上昇し、昨日高値の1.0535ドルを上抜けて1.0544ドルまで買い上げられた。一方で、FRB議長の景気判断に対する強気な見解が重しとなり1.0505ドル近辺まで押し戻された。
 なお、仏議会は4日、内閣不信任案の採決を行い可決された。これにより、バルニエ首相は辞任し、マクロン大統領が次の首相を選任することになる。極右・国民連合(RN)の実質的な指導者であるルペン氏は「マクロン大統領の辞任を求めていないが、最終的な決定権は彼にある」などと述べた。

 ユーロ円は続伸。終値は158.30円と前営業日NY終値(157.20円)と比べて1円10銭程度のユーロ高水準だった。NY序盤に158.66円まで上昇したものの、その後はドルが相場をけん引したためユーロ円自体は158円台前半を中心としたもみ合いが続いた。

本日これまでの参考レンジ 
ドル円:149.53円 - 151.23円
ユーロドル:1.0473ドル - 1.0544ドル
ユーロ円:156.99円 - 158.66円


(越後)
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