NYマーケットダイジェスト・11日 ナスダック最高値・金利上昇・ドル底堅い

(11日終値)
ドル・円相場:1ドル=152.45円(前営業日比△0.50円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.01円(△0.04円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0496ドル(▲0.0031ドル)
ダウ工業株30種平均:44148.56ドル(▲99.27ドル)
ナスダック総合株価指数:20034.89(△347.65)
10年物米国債利回り:4.27%(△0.04%)
WTI原油先物1月限:1バレル=70.29ドル(△1.70ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2756.7ドル(△38.3ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)
       <発表値>   <前回発表値>
11月米消費者物価指数(CPI)
(前月比)    0.3%      0.2%
(前年同月比)  2.7%      2.6%
エネルギーと食品を除くコア指数
(前月比)    0.3%      0.3%
(前年同月比)  3.3%      3.3%

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は3日続伸。欧州時間に伝わった観測報道をきっかけに日銀が追加利上げを急がない可能性が意識されて、円売り・ドル買いが優勢となった。
 注目の11月米CPIは市場予想通りの結果となった。指標発表直後には一時152.82円と11月27日以来の高値を付けたものの、一部ではCPIが上振れすれば17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げが見送られる可能性も指摘されていただけにすぐに失速した。23時30分過ぎは151.93円付近まで下押しした。もっとも、米長期金利が結局上昇したため全般ドル買いが優勢になると、152.72円付近まで持ち直している。
 なお、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では17-18日のFOMCで0.25%の利下げを予想する確率はCPI発表前の86%台から95%近くまで上昇した。

・ユーロドルは4日続落。米CPIの結果が伝わると一時1.0537ドル付近まで値を上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値1.0539ドルが目先レジスタンスとして意識されると失速した。「欧州経済の不透明感などを背景に欧州中央銀行(ECB)が来年にかけて利下げを続ける」との観測も相場の重しとなり、1時前に一時1.0480ドルと日通し安値を更新した。
 なお、明日12日のECB定例理事会では0.25%の利下げ予想が大勢を占めている。

・ユーロ円は小幅ながら3日続伸。22時30分過ぎに一時160.66円と11月27日以来の高値を付けたあとは159.57円付近まで下押しする場面もあったが、すぐに160円台前半まで持ち直した。ドル円につれた動きとなった。

・カナダドルは上昇。カナダ銀行(BOC)はこの日、政策金利を現行の3.75%から0.50%引き下げて3.25%にすることを決めたと発表。市場の予想通りとなった。ただ、声明で「今後は、追加利下げの是非について会合ごとに判断していく」と表明し、緩和ペースの減速を示唆するとカナダドル買いが優勢に。米ドルカナダドルは一時1.4120カナダドルまで下落したほか、カナダドル円は107.91円まで値を上げた。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は5日続落。11月米CPIが市場予想通りの結果になると、米利下げ観測が高まりハイテク株中心に買いが広がった。ただ、ディフェンシブ株や景気敏感株の一角が売られると指数は下げに転じた。ユナイテッドヘルス・グループが5.5%超の大幅下落となり、1銘柄でダウ平均を183ドル程度押し下げた。
 一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日ぶりに反発し、史上最高値で取引を終えた。11月の米大統領選以降上昇が目立つ電気自動車のテスラが6%近く上昇し、上場来高値を更新した。

・米国債券相場で長期ゾーンは3日続落。11月米CPIが市場予想通りの結果になると、米利下げ観測が高まり買いが先行。米10年債入札が「好調」と受け止められたことも買いを誘った。ただ、引けにかけては売りが強まり下げに転じた。

・原油先物相場は3日続伸。この日も中国のエネルギー需要回復期待で3日続伸して引けた。なお、米エネルギー省(EIA)が発表した週間在庫統計では、原油在庫の取り崩し幅が予想を上回ったが、ガソリン在庫は積み増し幅が上回るなどまちまちな結果だった。

・金先物相場は4日続伸。中国人民銀行による金購入再開以来の流れが続き4日続伸。米CPIが市場予想通りの結果になると、17-18日のFOMCでの利下げ予想が高まったことも金利のつかない金価格を支えた。

(中村)
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