ニューヨーク外国為替市場概況・12日 ドル円、4日続伸

 12日のニューヨーク外国為替市場でドル円は小幅ながら4日続伸。終値は152.63円と前営業日NY終値(152.45円)と比べて18銭程度のドル高水準だった。前週分の米新規失業保険申請件数が予想より弱い内容となったことが分かると円買い・ドル売りが先行。22時30分過ぎに一時151.81円と日通し安値を付けた。
 ただ、同時に発表された11月米卸売物価指数(PPI)が予想を上回ったことからドル売りでの反応は一時的となり、そのあとは底堅く推移した。米30年債入札が「低調」と受け止められると、米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.3356%前後と11月25日以来の高水準を更新。全般ドル買いが優勢となり、6時30分過ぎには152.69円付近まで持ち直した。

 ユーロドルは5日続落。終値は1.0468ドルと前営業日NY終値(1.0496ドル)と比べて0.0028ドル程度のユーロ安水準だった。欧州中央銀行(ECB)はこの日の定例理事会で政策金利を0.25%引き下げることを決めたと発表。市場予想通りの結果となった。ただ、声明では前回までの「必要な限り金利を制限的に維持する」との文言を削除し、インフレ見通しを引き下げた。22時30分前には一時1.0470ドルまで値を下げた。
 ラガルドECB総裁は理事会後の会見で「基調的なインフレ率は2%へ回帰する軌道にある」「成長見通しのリスクは下サイド」「インフレに関してはまだミッションは達成されていない」と述べた一方、「ECBはデータに依存し、会合ごとに決定する」と従来の説明を繰り返し、先行きの利下げについては示唆を与えなかった。
 2日の安値1.0461ドルが目先サポートとして意識されるといったんは買い戻しが優勢となり、24時過ぎに1.0521ドル付近まで下げ渋ったが、米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出ると1.0464ドルの本日安値まで押し戻された。その後の戻りも鈍かった。

 ユーロ円は4営業日ぶりに反落。終値は159.78円と前営業日NY終値(160.01円)と比べて23銭程度のユーロ安水準。23時過ぎに一時159.12円と日通し安値を付けたものの、24時前には160.24円付近まで下げ渋った。ただ、そのあとは米金利の動向に連れたドル相場となったことで、ユーロ円は方向感がなく159円後半でのもみ合いに終始した。

 米ドルカナダドルは一時1.4228カナダドルと2020年4月以来約4年8カ月ぶりの高値を付けた。米金利上昇に伴う米ドル買いが入ったほか、米加間の通商摩擦懸念を背景にカナダドル売りが進んだ。なお、一部通信社が報じたところによると「カナダ政府はトランプ次期大統領が関税を課した場合にはウランと石油に輸出税を導入することを検討している」もよう。

本日の参考レンジ
ドル円:151.81円 - 152.77円
ユーロドル:1.0464ドル - 1.0531ドル
ユーロ円:159.12円 - 160.55円

(中村)
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