東京為替見通し=ドル円、今週の日米金融政策への思惑から底堅い展開か

 13日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、「日銀は来週18-19日に開く金融政策決定会合で、政策金利引き上げの見送りを検討」との報道などを支えに153.80円まで上昇した。ユーロドルは一時1.0524ドルまで上昇した。

 本日の東京外国為替市場でドル円は、今週開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)や日銀金融政策決定会合への思惑から底堅い展開が予想される。

 17-18日のFOMCでは、0.25%の追加利下げ(⇒4.25-50%)はほぼ確実視されている。しかしながら来年1月20日の第2次トランプ米政権発足後の28-29日のFOMCでは据え置きが見込まれているため、ドル買い要因となっている。一方、18-19日の日銀金融政策決定会合では追加利上げは見送られるとの見方が高まっており、こちらは円売り要因だ。

 「フェドウオッチ」が織り込むFOMCの金融政策は以下の通り。
・2024年12月17-18日:0.25%の利下げ(※FF金利4.25-50%)確率は約96%
・2025年1月28-29日:据え置き(※FF金利4.25-50%)確率は約78%
・2025年3月18-19日:0.25%の利下げ(※FF金利4.00-25%)確率は約52%

 「翌日物金利スワップ」が織り込む日銀金融政策決定会合での利上げ確率は以下の通り。
・2024年12月18-19日:約16%
・2025年1月23-24日:約54%
・2025年3月18-19日:約21%

 ドル円のテクニカル分析での上値の目処としては、11月15日の高値156.75円、そして7月3日の高値161.95円から156.75円を経由する抵抗線(12/16:155.70円~12/20:155.50円)などが挙げられる。

 なお先週は、中国当局がトランプ関税に対する対抗措置として人民元安を検討、との報道があった。これに対して、トランプ次期米大統領の貿易・製造業担当上級顧問に就くピーター・ナバロ氏は、中国が通貨を安くすればさらに関税を引き上げる選択肢もあり得ると警告した。

 トランプ次期米大統領は、今年4月に、ドル円が34年ぶりの高値を更新して154円台に乗せた時に、「アメリカの製造業にとって大惨事」と述べており、円安や人民元安を牽制する突発的な発言の可能性には引き続き警戒しておきたい。

 先週末13日には、格付け会社ムーディーズが、予想外のタイミングでフランスの格付けを「Aa2」から「Aa3」へ引き下げた。米格付け会社ムーディーズは、米大統領選挙前の10月に「どちらの候補が当選しても米国の財政状況は弱体化する可能性が高い」と指摘して、大統領選後に米国の信用格付けを引き下げることを示唆していたことで、米国債格下げリスクにも警戒しておきたい。

(山下)
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