20日香港株=続落か、資金流出を懸念 米長期金利が上昇

 20日の香港市場は続落か。米長期金利が上昇し、人民元安が進行するなか、香港を含む新興市場からの資金流出が警戒されるだろう。米連邦準備理事会(FRB)が2025年の利下げペースを鈍化させる姿勢を示し、19日の外国為替市場では幅広い通貨に対して米ドルが買われた。20日朝方のオフショア人民元(CNH)は1米ドル=7.31元付近で推移している。中国指導部は前週、金融政策を「適度に緩和的」へ転換すると表明したが、人民元相場の下落が足かせとなって利下げをしにくくなりかねない。

 米長期金利の上昇も地合いを悪化させそうだ。19日のNY債券市場で長期金利の指標となる米10年物国債利回りは一時4.59%と5月下旬以来およそ7カ月ぶりの高水準を付けた。トランプ次期米大統領は19日の米NBCのインタビューで、米連邦政府の債務上限の撤廃を支持する考えを示した。政府債務が野放図に拡大するとの懸念が強まれば、米長期金利に一段の上昇圧力がかかる。

 19日のNY株式相場は高安まちまち。ダウ平均が小幅ながら11営業日ぶりに反発した半面、S&P500とナスダック総合はともに3日続落した。同日の香港株の米国預託証券(ADR)はネット株のアリババ集団(09988)、テンセント(00700)、美団(03690)、JDドットコム(09618)が香港終値を下回った半面、英金融大手のHSBC(00005)が上回って終えた。

(小針)
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