ロンドン為替見通し=クリスマスウィークで方向感出づらい、駆け込み需要で振らされる場面も

 今週はクリスマスウィークであり、欧州の金融市場は祝日ムードが広がりそうだ。そういったなか、週明けロンドン為替市場でのユーロやポンドは明確な方向性が出づらいだろう。主要な経済指標もユーロ圏では、11月独輸入物価指数のみ。英国からは7-9月期国内総生産(GDP)や経常収支が発表されるが、GDPは改定値だ。金融当局者の講演も予定されていない。

 ドイツやスイス、ノルウェーとスウェーデンなどは24-26日が休場。24日は市場が短縮取引となる英国やフランスも25-26日が休場となる。それら期間では流動性の悪化が確実であり、スプレッドが通常より広がることは避けられないだろう。そうなる前に本日は、欧州通貨に対して駆け込み的なフローが持ち込まれるかもしれない。積極的な取引の手控えが予想されるなか、フローに振らされて値幅を広げる場面もあるか。

 前述した7-9月期英GDPは改定値のため、基本的に相場インパクトは弱いと考える。ただし念のため、指標結果は確認しておいたほうが良いだろう。市場予想は前期比が0.1%/前年比が1.0%の上昇と速報値から横ばい。前期比/前年比ともに3四半期連続のプラスだが、上昇幅は前期比が縮小傾向の一方で前年比は拡大基調だ。速報値が予想比下振れたこともあり、もし前期比がプラス維持できずとなれば、ポンドにとっても印象は悪い。

 なお先週末に伝わった英国関係のニュースでは、ベイリー英中銀(BOE)総裁とリーブス財務相は来月に中国を訪問するもよう。ベイリー総裁は中国人民銀行総裁との会談が予定されている。


想定レンジ上限
・ユーロドル、21日移動平均線1.0499ドル
・ポンドドル、19日高値1.2667ドル

想定レンジ下限
・ユーロドル、11月22日安値(年初来安値)1.0335ドル
・ポンドドル、12月20日安値1.2476ドル


(小針)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。