ロンドン為替見通し=12月英インフレ指標に注目、英中銀の次の一手に影響あるか

 本日のロンドン為替市場は、序盤に発表される12月英インフレ指標にまず注目。消費者物価指数(CPI)は前年比総合が前回から横ばいの2.6%予想、コアが3.4%と前回から0.1ポイントの減速が見込まれている。また、英中銀が金融政策を決定するうえで重要視しているサービス価格のインフレ率は前回の前年比5.0%上昇から下振れ予想だ。

 次回の英中銀金融政策委員会(MPC)の結果公表は2月6日であり、今回のCPIは政策決定に向けた重要なデータだ。英長期金利の急騰も影響され、足もとの短期金融市場では英MPCの利下げペース鈍化を見込み始めた。今のところ、年前半の4会合で0.25%利下げ1回を織り込でいるものの、夏から年末までの4会合については利下げ見通しがそれほど高まっていない。

 英長期債への売り圧力は昨日も強まったままであり、同10年債利回りは4.89%近くと再び2008年以来の高い水準で終えた。長期債市場が不安定なままでは、英中銀が金融政策で取り得る選択肢も狭まってしまうだろう。ここ最近の動きを見ると、英金利の上昇はポンド買いに繋がるどころか、英債価格の更なる下落を連想させてポンドの重しとなっている。もし12月英CPIの上振れとなった場合でもポンドの上昇は限定的かもしれない。

 ユーロは対ポンドの動きに対ドルもしばらくつれる形か。ユーロポンドは昨日、0.8420ポンド台に位置していた200日移動平均線を上抜けて、約4カ月ぶりの高値0.8451ポンドまで上げ幅を広げた。買い一巡後も同線の上では推移している。本日0.8427ポンド付近に位置する200日線で下値固めができるか注目したい。

なおユーロ圏からは本日、デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁やビルロワドガロー仏中銀総裁、ブイチッチ・クロアチア中銀総裁などが講演予定。基本的にはディスインフレや現状の利下げスタンスの確認に留まりそうだ。

想定レンジ上限
・ポンドドル、10日高値1.2322ドル
・ユーロドル、日足一目均衡表・基準線1.0359ドル

想定レンジ下限
・ポンドドル、13日安値1.2100ドル
・ユーロドル、昨日安値1.0239ドル


(小針)
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