週間為替展望(ドル/ユーロ)-日銀金融政策決定会合に注目
◆ドル円、日銀正副総裁発言で利上げ観測急速に高まる
◆20日には第2次トランプ米政権が誕生
◆ユーロドル、欧州重要指標の結果次第では下値トライ
予想レンジ
ドル円 153.00-160.00円
ユーロドル 1.0000-1.0450ドル
1月20日週の展望
ドル円は、日銀の金融政策決定会合を巡って荒い値動きが想定される。昨年12月18-19日に行われた前回会合では植田日銀総裁が記者会見で「来年の春闘に向けた賃上げのモメンタム、そしてトランプ次期米政権の追加関税策の中身について、もう少し情報を待ちたい」と述べたことから、市場では利上げ時期は早くても3月か4月になるとの思惑が広がっていた。ただ、今年に入って氷見野日銀副総裁や植田日銀総裁が相次いで「利上げをするかどうか政策委員の間で議論し、判断したい」と発言したことで来週22-23日の会合で利上げに踏み切る可能性が一気に高まった。また、一部通信社からも「日銀は来週の会合で米新政権の影響が限定的なら利上げの公算大」と伝わり、利上げ確率は8割以上まで上がっている。
ただ、トランプ米政権が20日に誕生してわずか数日で影響を見極めることが出来るのか、そして春闘に関する情報は12月時点から変わっていない点を考慮すると、今回利上げに踏み切る根拠が薄いように感じられる。10日にドル円は一時158.87円と昨年7月12日以来の高値を付けるなど、足元で続く円安・ドル高が利上げの背景だとするならば、今後積極的に利上げを続けることは難しく、海外勢を中心に仕掛け的な円売りが持ち込まれる可能性も否定できない。利上げが実施された場合、植田日銀総裁の定例記者会見に市場の注目が一段と集まることになるだろう。
来週は重要な米指標がないほか、ブラックアウト期間に入るため、米連邦準備理事会(FRB)高官からの発言は期待できない。注目は20日のトランプ米政権の発足だろう。就任後にトランプ米大統領から懸念される関税政策について具体的な発言が出るかどうかが焦点となっている。
ユーロドルは、トランプ米政権発足による影響などから上値の重い展開が続きそうだ。また、独を中心に欧州の景気先行きに対する警戒感が根強く、21日には1月独・ユーロ圏ZEW景況感調査、24日に欧州各国の1月購買担当者景気指数(PMI)速報値の発表が予定されているため、結果次第ではユーロが一段と下落する可能性もあるだろう。
1月13日週の回顧
ドル円は上値が重い。しばらくは157.50円を挟んだもみ合いが続いた後、14日のNY市場では米長期金利の上昇を支えに一時158.20円まで値を上げた。ただ、植田日銀総裁の発言をきっかけに売りが優勢に。弱い12月米コアCPIや日銀の利上げ観測報道、更にはウォラーFRB理事のハト派発言も売りを後押しすると一時155.10円まで売り込まれた。
ユーロドルは方向感がない。週明けから仕掛け的な売りが持ち込まれ一時1.0178ドルと2022年11月以来約2年2カ月ぶりの安値を更新。その後はショートカバーから1.0354ドルまで反発したが、戻りは限られている。(了)
◆20日には第2次トランプ米政権が誕生
◆ユーロドル、欧州重要指標の結果次第では下値トライ
予想レンジ
ドル円 153.00-160.00円
ユーロドル 1.0000-1.0450ドル
1月20日週の展望
ドル円は、日銀の金融政策決定会合を巡って荒い値動きが想定される。昨年12月18-19日に行われた前回会合では植田日銀総裁が記者会見で「来年の春闘に向けた賃上げのモメンタム、そしてトランプ次期米政権の追加関税策の中身について、もう少し情報を待ちたい」と述べたことから、市場では利上げ時期は早くても3月か4月になるとの思惑が広がっていた。ただ、今年に入って氷見野日銀副総裁や植田日銀総裁が相次いで「利上げをするかどうか政策委員の間で議論し、判断したい」と発言したことで来週22-23日の会合で利上げに踏み切る可能性が一気に高まった。また、一部通信社からも「日銀は来週の会合で米新政権の影響が限定的なら利上げの公算大」と伝わり、利上げ確率は8割以上まで上がっている。
ただ、トランプ米政権が20日に誕生してわずか数日で影響を見極めることが出来るのか、そして春闘に関する情報は12月時点から変わっていない点を考慮すると、今回利上げに踏み切る根拠が薄いように感じられる。10日にドル円は一時158.87円と昨年7月12日以来の高値を付けるなど、足元で続く円安・ドル高が利上げの背景だとするならば、今後積極的に利上げを続けることは難しく、海外勢を中心に仕掛け的な円売りが持ち込まれる可能性も否定できない。利上げが実施された場合、植田日銀総裁の定例記者会見に市場の注目が一段と集まることになるだろう。
来週は重要な米指標がないほか、ブラックアウト期間に入るため、米連邦準備理事会(FRB)高官からの発言は期待できない。注目は20日のトランプ米政権の発足だろう。就任後にトランプ米大統領から懸念される関税政策について具体的な発言が出るかどうかが焦点となっている。
ユーロドルは、トランプ米政権発足による影響などから上値の重い展開が続きそうだ。また、独を中心に欧州の景気先行きに対する警戒感が根強く、21日には1月独・ユーロ圏ZEW景況感調査、24日に欧州各国の1月購買担当者景気指数(PMI)速報値の発表が予定されているため、結果次第ではユーロが一段と下落する可能性もあるだろう。
1月13日週の回顧
ドル円は上値が重い。しばらくは157.50円を挟んだもみ合いが続いた後、14日のNY市場では米長期金利の上昇を支えに一時158.20円まで値を上げた。ただ、植田日銀総裁の発言をきっかけに売りが優勢に。弱い12月米コアCPIや日銀の利上げ観測報道、更にはウォラーFRB理事のハト派発言も売りを後押しすると一時155.10円まで売り込まれた。
ユーロドルは方向感がない。週明けから仕掛け的な売りが持ち込まれ一時1.0178ドルと2022年11月以来約2年2カ月ぶりの安値を更新。その後はショートカバーから1.0354ドルまで反発したが、戻りは限られている。(了)