ニューヨーク外国為替市場概況・20日 ユーロドル、反発

 20日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは反発。終値は1.0416ドルと前営業日NY終値(1.0273ドル)と比べて0.0143ドル程度のユーロ高水準だった。米国がキング牧師誕生日で休場となる中、米ウォールストリートジャーナル紙(WSJ)が「米大統領に就任するトランプ氏は米国への輸入品に対する新たな関税について、本日の発動は見送る見通し」と報じると、米インフレ再加速への懸念が和らぎ全般ドル売りが先行。一時1.0430ドルまで値を上げた。
 トランプ氏の大統領就任演説が始まると1.0354ドル付近まで売られたものの、下押しは限定的となり、そのあとは再びドル売りが優勢に。5時過ぎには一時1.0434ドルと7日の高値に面合わせした。
 なお、トランプ氏は日本時間21日2時、第47代大統領に就任した。演説では「米国の黄金時代がいま始まる」と宣言し、対外政策に関しては「米国は成長国家であり、領土を拡大する」と述べ、パナマ運河の支配を目指す姿勢を示した。また、経済については「記録的なインフレを打破し、物価を速やかに下げる」「市民を豊かにするために外国に関税を課す」と表明した。

 ドル円は反落。終値は155.62円と前営業日NY終値(156.30円)と比べて68銭程度のドル安水準だった。WSJの報道を受けて投資家の過度な警戒感が和らぐとともに、関税引き上げを見込んで積み上がっていたドル買いポジションを解消する動きが出ると、23時30分過ぎに一時155.42円と日通し安値を更新した。
 米大統領就任演説が始まると156.05円付近まで下げ渋る場面もあったが戻りは鈍く、引けにかけては155.50円付近まで押し戻された。

 ユーロ円は続伸。終値は162.09円と前営業日NY終値(160.56円)と比べて1円53銭程度のユーロ高水準。英独株価指数が史上最高値を更新するなど、欧州株相場が底堅く推移すると投資家のリスク志向が改善し円売り・ユーロ買いが優勢となった。24時30分前には一時本日高値となる162.31円まで値を上げた。その後の下押しも161.54円付近にとどまった。

本日の参考レンジ
ドル円:155.42円 - 156.58円
ユーロドル:1.0266ドル - 1.0434ドル
ユーロ円:160.32円 - 162.31円

(中村)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。