NYマーケットダイジェスト・21日 株高・金利低下・ドル失速

(21日終値)
ドル・円相場:1ドル=155.52円(前営業日比▲0.10円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.14円(△0.05円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0428ドル(△0.0012ドル)
ダウ工業株30種平均:44025.81ドル(△537.98ドル)
ナスダック総合株価指数:19756.78(△126.58)
10年物米国債利回り:4.57%(▲0.06%)
WTI原油先物2月限:1バレル=75.89ドル(▲1.99ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2759.2ドル(△10.5ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)
特になし

(各市場の動き)
・ユーロドルは小幅ながら続伸。アジア時間に「トランプ米大統領はカナダとメキシコに25%の関税を検討」と伝わったことを受けて、欧州市場まではユーロ売り・ドル買いの流れが続いた。18時30分過ぎには一時1.0342ドルと日通し安値を付けた。
 ただ、NY市場に入ると買い戻しが優勢に。英独株価指数が史上最高値を更新し、ダウ平均が一時560ドル超上昇するなど、欧米株相場が堅調に推移するとリスク・オンのユーロ買い・ドル売りが入った。市場では「ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだユーロ買い・ドル売りのフローが観測された」との声も聞かれ、一時1.0435ドルとアジア時間に付けた日通し高値に面合わせした。

・ドル円は小幅続落。対ユーロなどでドル買いが先行するとドル円にも買いが入り、20時30分前には156.05円付近まで値を上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値156.23円が目先レジスタンスとして意識されると失速した。ロンドン・フィキシングに絡んだドル売りが観測されると一時155.25円付近まで下押しした。
 なお、「日銀は23-24日に開く金融政策決定会合で、政策金利の追加引き上げを決める方向」との報道が伝わったが、「追加利上げは織り込み済み」との見方から反応は限定的だった。

・ユーロ円は小幅に3日続伸。アジア市場では一時160.96円まで売られたものの、欧米市場に入ると買い戻しが優勢となり上げに転じた。欧米株価の上昇を背景にリスク・オンの円売り・ユーロ買いが優勢になると、一時162.23円と本日高値を更新した。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸。20日に就任したトランプ米大統領が新たな関税の即時発動を見送ると、関税を巡る過度な警戒が薄れ、買いが広がった。「トランプ氏はAIインフラに巨額投資する方針を発表する見通し」との報道を受けて、半導体株への買いが目立った。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も続伸。米長期金利の低下で高PER(株価収益率)のハイテク株に買いが入った。

・米国債券相場で長期ゾーンは反発。20日に就任したトランプ米大統領が新たな関税の即時発動を見送ると、関税の引き上げに伴う物価上昇への警戒がひとまず後退し買いが広がった。

・原油先物相場は大幅に3日続落。イスラエルとイスラム組織ハマス間での停戦が発動を受けて、中東の地政学リスク低下から供給懸念が後退。また、米国のトランプ新大統領がエネルギーに関する国家非常事態を宣言し、規制を撤廃して同国の石油やガス生産を最大化する計画を打ち出した。これらが売り圧力に繋がり、一時75ドル半ばまで下値を広げた。

・金先物相場は反発。時間外につけた2715ドル台を下値に切り返すと、先週高値を超えて2762ドルまで上げ幅を広げた。米長期金利の低下が金利を生まない金にとって支えとなり、為替のドル安もドル建て金に割安感を生じさせて買いに繋がった。

(中村)
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