ロンドン為替見通し=株価や米長期金利の動向を見極めつつ方向感模索か

 本日のロンドン為替市場のユーロドルは、トランプ米大統領が発表した政策を見極めつつ、米長期金利や株価動向をながめながら方向感を探る展開となるか。

 本日はトランプ米大統領やベッセント米財務長官から相次いで関税に関する発言が出ており、これらに反応してドル買いの流れとなる中でユーロドルは一時1.0425ドルまで下落。関税でインフレ再燃が想起されると時間外の米10年債利回りは4.56%目前まで上昇している。欧州市場でも引き続き材料視されるか、米長期金利の動きに注目したい。

 また、日経平均は39000円を割る場面も見られたが一時的となり、その後は下げ幅を縮小して午前の取引を終えた。今のところ、昨日の欧米市場のようなパニック的な動きにはなっていない。ユーロ円を始めとしてクロス円にとって株式動向は無視できないところ。株安のきっかけとなった中国の新興企業ディープシーク(DeepSeek)の最新AIモデルについての続報がなければ、材料消化で欧州株も徐々に落ち着きを取り戻すことも考えられる。東京午前でのドル円の上昇によりクロス円もそれなりに巻き戻されており、欧州株が落ち着けば一段と買い戻されても不思議ではない。

 経済指標は、1月仏消費者信頼感指数が発表予定。市場予想は90と前月の89をわずかに上回る見通し。相場へのインパクトは高くないものの、前週末の仏1月製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値に続いて予想を上回れるか見ておきたい。

 要人発言では、ビルロワドガロー仏中銀総裁やチポローネ欧州中央銀行(ECB)専務理事の発言機会が予定されているものの、30日のECB理事会を前にすでにクワイエット期間(いわゆるブラックアウト期間)に入っていることから、金融政策に関する発言は期待しづらいだろう。


想定レンジ上限
・ユーロドル: 27日高値1.0533ドル
・ユーロ円:27日高値163.75円

想定レンジ下限
・ユーロドル:日足・一目均衡表の基準線1.0356ドル
・ユーロ円:朝方に付けた本日安値161.58円


(川畑)
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