ロンドン為替見通し=ダボス会議でのトランプ米大統領の演説に要警戒か

 本日のロンドン為替市場のユーロドルとポンドドルは、今夜24日1時に世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で予定されているトランプ米大統領のオンライン演説に警戒せざるを得ない展開となる。

 トランプ米大統領は、欧州の北大西洋条約機構(NATO)加盟国に対して防衛費を国内総生産(GDP)比5%まで引き上げるべき、そして、EU製品も関税の対象となる、と述べていた。さらに、プーチン露大統領に対しては、ウクライナを巡る協議に応じなければ、制裁強化を警告している。

 関税などの貿易政策は「アメリカ第一の貿易政策」と題する大統領覚書に示されている。
 2月1日からメキシコとカナダには25%、中国には10%の追加関税が示されたが、欧州や英国には具体的な数字が示されていないことで、注目しておきたい。

 本日のダボス会議の演説では、これまでの発言や大統領令などが繰り返されると思われるものの、英国と欧州に対する貿易戦争、パリ合意やWHOからの離脱の延長線としてのNATO離脱の警告、欧州の極右政党との連携の呼び掛けなど、過激な発言には警戒しておきたい。

 第2次トランプ米政権の大統領顧問でもあるイーロン・マスク氏は、先週まで、欧州各国の右翼政党に接近して、内政干渉的な発言を繰り返しており、欧州各国の政権与党からの反発を招いている。

想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0476ドル(日足一目均衡表・雲の下限)
・ユーロ円:163.81円(1/8高値)
・ポンドドル:1.2384ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ポンド円:193.95円(日足一目均衡表・雲の下限)

想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0318ドル(日足一目均衡表・転換線=基準線)
・ユーロ円:161.44円(日足一目均衡表・雲の上限)
・ポンドドル:1.2238ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ポンド円:191.19円(日足一目均衡表・転換線)



(山下)
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