ロンドン為替見通し=ECB理事会直後で動きづらいか

 本日はユーロ圏で複数の指標発表が予定されているものの、昨日欧州中銀(ECB)理事会を通過した直後ということもあり、大きな動き出しは期待しづらいと見る。一通り発表された後は、NY時間に控えている12月米PCEデフレーターの発表を待つ展開か。

 経済指標では、独で12月の小売売上高や雇用統計、仏で12月卸売物価指数(PPI)など、複数予定されている。また、1月消費者物価指数(CPI)速報値が仏・独で発表予定となっており、市場予想は前年比で仏が+1.5%と前月の+1.3%から伸び加速、独は+2.6%で前月並みとなっている。ECB理事会直後のため反応は限られそうだが、来月1日のユーロ圏12月消費者物価指数(HICP)を前に結果を確認しておきたい。

 要人発言については、NY午前にビルロワドガロー仏中銀総裁の発言機会が予定されている。市場ではハト派とみなされる同氏であるが、ECB理事会直後ということもあり、今後の金利や経済見通しについて発言があれば材料視されるかもしれない。

 また、本日は月末日につき、ロンドンフィキシング(日本時間25時)に絡んで実需主導の動きとなる恐れがある点には注意したい。

 トランプ米大統領が就任以降、関税を始めとして「アメリカ・ファースト」の姿勢を示す中で大統領の政策に市場が振り回される展開が続いている。今のところ隣国のカナダやメキシコ、BRICs諸国が主な標的となるも、ユーロ圏も大統領就任前にNATO加盟国の防衛費用の負担増加を求められており、今後ユーロ圏に対してさらなる注文を付けてくる可能性は低くはないだろう。しばらくの間、関連報道に左右される展開となりやすい点は押さえておきたい。

 テクニカル面では、ユーロドルは27日に高値1.0533ドルをつけた後は上値が重く、昨日は日足・一目均衡表の転換線を割り込んで終えた。目先は基準線1.0356ドルを明確に下抜けると20日以来となる1.03ドル割れに向けて流れが傾くことも予想される。仮に切り返しても昨日に続き雲の下限1.0461ドルは抵抗として意識されやすいだろう。

想定レンジ上限
・ユーロドル:5日移動平均線1.0425ドル。超えると日足・一目均衡表の雲の下限1.0461ドル

想定レンジ下限
・ユーロドル:日足・一目均衡表の基準線1.0356ドル。割り込むと20日安値1.0266ドル


(川畑)
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