週間為替展望(ポンド/加ドル)-ポンド、MPC委員の投票行動に注視
◆ポンド、英中銀は利下げ見込み MPC委員の投票行動がポイントに
◆加ドル、トランプ関税の影響に警戒
◆加ドル、追加利下げもガイダンスは撤回
予想レンジ
ポンド円 188.50-194.50円
加ドル円 104.50-108.50円
2月3日週の展望
ポンドは、2月6日にイングランド銀行(英中銀、BOE)が発表する政策金利や金融政策報告書に注目。市場は、英金融政策委員会(MPC)が現行4.75%の政策金利を4.50%に引き下げると見ている。予想通りであれば2会合ぶりの利下げとなり、2023年5月以来の金利水準となる。英国では、12月消費者物価指数(CPI)が総合・コアともに市場予想より鈍化し、サービス部門のインフレも減速基調。経済データも鉱工業生産や小売売上高などが予想から下振れているほか、雇用状況も悪化しつつある。そういったなかでの利下げは妥当と言えるだろう。
英金融イベントで留意すべき点は、MPC委員9人の投票行動。金利据え置きの前回12月の会合でも、ラムスデン副総裁とディングラ、テイラー両委員が0.25%の利下げを主張した。今回はこの3人に何人追随するかがポイントになる。一部通信社の調べでは、利下げ7人/据え置き2人と見る向きが多いもよう。このバランスが崩れた方にポンド相場は反応するのではないか。
今回、政策金利と同時に公表されるのが金融政策報告書。四半期に一度のレポートでは、インフレ見通しに注目が集まる。昨年11月の前回報告では、2025年半ばにかけて約2.75%まで上昇し、26年は目標2%よりも高めの水準で推移。その後27年末に1.8%まで低下するとの予想が示された。これは8月の従来予測よりもインフレ目標達成時期を1年後ろにずらした形だった。
加ドルは、米国の関税政策がやはり警戒すべき材料だ。米ホワイトハウスは今週、カナダとメキシコからの輸入品に関税を課す時期について、トランプ大統領が当初言及した2月1日で検討していると述べた。米商務長官候補がその後、2カ国が違法薬物対策を強化すれば関税回避の可能性を示唆したものの、加ドル買いは盛り上がらず。カナダ側も、関税が発動された場合の報復措置は「米国により大きな打撃となる製品に重点を置く」と完全に身構えている。トランプ米大統領の決定次第では、加ドル相場は週明けのオセアニア市場からかなり荒い値動きとなりそうだ。
なおカナダ中銀(BOC)は29日の会合で、市場予想通りに政策金利を0.25ポイント引き下げて3.00%とした。声明では「米新政権による貿易関税の脅威により、通常よりも不確実性に晒されている」とし、政策金利調整のガイダンスを撤回した。ただ、トランプ関税の影響を考慮しなくても、カナダ成長見通しは下方修正されており、その上で先行き不安定さが増すようだと加ドルの買いづらさは続いてしまうだろう。
1月27日週の回顧
ポンドは対円で週明け194.60円台から192円前半まで売り先行。米ハイテク株の大幅下落からリスク回避の動きが強まった。一旦下げ渋るも、週後半には191円前半まで下げ幅を広げた。対ドルでは1.25ドル前半から1.24ドル割れまで水準を下げた。
加ドルは対円では108円後半から105円後半、対ドルでは1.43加ドル前半から一時1.45加ドル後半まで加ドル安が進行。トランプ関税への警戒感が高まると加ドル売り圧力が強まった。(了)
◆加ドル、トランプ関税の影響に警戒
◆加ドル、追加利下げもガイダンスは撤回
予想レンジ
ポンド円 188.50-194.50円
加ドル円 104.50-108.50円
2月3日週の展望
ポンドは、2月6日にイングランド銀行(英中銀、BOE)が発表する政策金利や金融政策報告書に注目。市場は、英金融政策委員会(MPC)が現行4.75%の政策金利を4.50%に引き下げると見ている。予想通りであれば2会合ぶりの利下げとなり、2023年5月以来の金利水準となる。英国では、12月消費者物価指数(CPI)が総合・コアともに市場予想より鈍化し、サービス部門のインフレも減速基調。経済データも鉱工業生産や小売売上高などが予想から下振れているほか、雇用状況も悪化しつつある。そういったなかでの利下げは妥当と言えるだろう。
英金融イベントで留意すべき点は、MPC委員9人の投票行動。金利据え置きの前回12月の会合でも、ラムスデン副総裁とディングラ、テイラー両委員が0.25%の利下げを主張した。今回はこの3人に何人追随するかがポイントになる。一部通信社の調べでは、利下げ7人/据え置き2人と見る向きが多いもよう。このバランスが崩れた方にポンド相場は反応するのではないか。
今回、政策金利と同時に公表されるのが金融政策報告書。四半期に一度のレポートでは、インフレ見通しに注目が集まる。昨年11月の前回報告では、2025年半ばにかけて約2.75%まで上昇し、26年は目標2%よりも高めの水準で推移。その後27年末に1.8%まで低下するとの予想が示された。これは8月の従来予測よりもインフレ目標達成時期を1年後ろにずらした形だった。
加ドルは、米国の関税政策がやはり警戒すべき材料だ。米ホワイトハウスは今週、カナダとメキシコからの輸入品に関税を課す時期について、トランプ大統領が当初言及した2月1日で検討していると述べた。米商務長官候補がその後、2カ国が違法薬物対策を強化すれば関税回避の可能性を示唆したものの、加ドル買いは盛り上がらず。カナダ側も、関税が発動された場合の報復措置は「米国により大きな打撃となる製品に重点を置く」と完全に身構えている。トランプ米大統領の決定次第では、加ドル相場は週明けのオセアニア市場からかなり荒い値動きとなりそうだ。
なおカナダ中銀(BOC)は29日の会合で、市場予想通りに政策金利を0.25ポイント引き下げて3.00%とした。声明では「米新政権による貿易関税の脅威により、通常よりも不確実性に晒されている」とし、政策金利調整のガイダンスを撤回した。ただ、トランプ関税の影響を考慮しなくても、カナダ成長見通しは下方修正されており、その上で先行き不安定さが増すようだと加ドルの買いづらさは続いてしまうだろう。
1月27日週の回顧
ポンドは対円で週明け194.60円台から192円前半まで売り先行。米ハイテク株の大幅下落からリスク回避の動きが強まった。一旦下げ渋るも、週後半には191円前半まで下げ幅を広げた。対ドルでは1.25ドル前半から1.24ドル割れまで水準を下げた。
加ドルは対円では108円後半から105円後半、対ドルでは1.43加ドル前半から一時1.45加ドル後半まで加ドル安が進行。トランプ関税への警戒感が高まると加ドル売り圧力が強まった。(了)