NYマーケットダイジェスト・12日 株まちまち・金利上昇・円安

(12日終値)
ドル・円相場:1ドル=154.42円(前営業日比△1.93円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.33円(△2.32円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0383ドル(△0.0022ドル)
ダウ工業株30種平均:44368.56ドル(▲225.09ドル)
ナスダック総合株価指数:19649.95(△6.09)
10年物米国債利回り:4.62%(△0.09%)
WTI原油先物3月限:1バレル=71.37ドル(▲1.95ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=2928.7ドル(▲3.9ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)
       <発表値>   <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数
(前週比)   2.3%       2.2%
1月米消費者物価指数(CPI)
(前月比)   0.5%       0.4%
(前年同月比) 3.0%       2.9%
エネルギーと食品を除くコア指数
(前月比)   0.4%       0.2%
(前年同月比) 3.3%       3.2%
1月米財政収支
      1286億ドルの赤字 867億ドルの赤字

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は3日続伸。米労働省が発表した1月米消費者物価指数(CPI)が総合・コア指数ともに予想を上回ったことが分かると、米長期金利の上昇とともに全般ドル買いが先行。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が米下院金融サービス委員会で「今日のデータはインフレ目標は近いが、まだ到達していないことを示している」「関税を理由に政策金利を変更せざるを得なくなる可能性も」と述べたことも相場の支援材料となり、一時154.80円まで値を上げた。
 ただ、買い一巡後は若干伸び悩んだ。米長期金利の上昇が一服した影響を受けたほか、市場では「一目均衡表基準線が位置する154.90円や節目の155.00円がレジスタンスとして意識された」との声が聞かれた。

・ユーロドルは小幅ながら続伸。1月米CPIの上振れをきっかけに全般ドル買いが先行すると一時1.0317ドルと日通し安値を付けたものの、前日の安値1.0292ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。「欧州連合(EU)の貿易担当委員は米国と関税問題の解決を巡り協議する」との一部報道が伝わると、欧米貿易摩擦に対する過度な懸念が後退し、ユーロ買いが加速した。
 その後、トランプ米大統領が自身のSNSに「プーチン露大統領と本日、電話会談を実施し、ウクライナでの戦争を終結させるための協議を開始することで合意」「互いの国を訪問することを含め、非常に緊密に協力することで合意」と投稿すると、ウクライナ情勢を巡る懸念が和らぎ、一時1.0430ドルまで上値を伸ばした。
 ただ、5日に付けた直近高値の1.0442ドルがレジスタンスとして意識されると1.0381ドル付近まで押し戻された。

・ユーロ円は大幅に3日続伸。米物価指標の上振れをきっかけにドル円が上昇するとユーロ円にも買いが波及。そのあとは米関税を巡り、「EUが米国との交渉による解決策を模索している」と報じられたほか、「米露首脳はウクライナ停戦交渉開始で合意」と伝わり全般ユーロ買いが活発化。3時過ぎには160.97円と1月31日以来の高値を更新した。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反落。1月米CPIが予想を上回ると、FRBが当面の間、政策金利を据え置くとの見方が拡大。米長期金利が急上昇し、株式の相対的な割高感が意識され売りが膨らんだ。ただ、そのあとは米関税を巡り、「EUが米国との交渉による解決策を模索している」と報じられたほか、「米露首脳はウクライナ停戦交渉開始で合意」と伝わり下げ渋った。
 一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は小反発した。

・米国債券相場で長期ゾーンは大幅続落。1月米CPIが予想を上回ると、FRBの追加利下げ観測が一段と後退し債券売りが広がった。

・原油先物相場は4日ぶりに反落。米原油在庫の大幅積み増しが相場の重しとなったほか、ウクライナ情勢を巡って停戦協議への期待が高まったことも供給懸念の後退を意識した売りにつながった。

・金先物相場は続落。1月米CPIが予想比上振れしたことで、米利下げ観測が後退。米長期金利が上昇すると、金利を生まない資産である金に売りが出た。一方で、トランプ米政権の関税政策を巡る懸念はくすぶっており、安全資産としての金需要が下値を支えた。

(中村)
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