東京為替見通し=ドル円は米国債利回り低下で続落懸念、豪ドルはインフレ率に要注目か

 25日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、予想を下回った2月米消費者信頼感指数を受けて米10年債利回りが4.2811%前後まで低下したことに伴う円買い・ドル売りで148.57円まで下落した。ユーロドルは1.0519ドルまで上昇した。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、米10年債利回りの低下を受けて下値を探る展開が予想される。

 米10年債利回りが4.2%台まで低下した背景として以下の要因が挙げられる。

・景況感悪化を示す米経済指標を受けて、「フェドウオッチ」が示している今年の0.25%の利下げ開始時期は、6月FOMC(-0.25%=4.00-25%)に前倒しされており、9月FOMCでも追加利下げ(-0.25%=3.75-4.00%)が見込まれている。
・28日に発表されるFRBがインフレ指標として注視しているPCEデフレーターの1月分は、前年比+2.5%と予想されており、12月の同比+2.6%からの伸び率鈍化が見込まれている。
・1月28-29日のFOMC議事要旨で、政府債務の上限引き上げを巡る問題が解決するまでバランスシート圧縮(※米国債の売り)を一時停止または減速させる可能性が議論された。
・ベッセント米財務長官が長期債の割合を増やす措置は「まだ先のことだ」と述べ、「トランプ大統領の政策によって10年国債利回りは低下するとみている」と述べたこと。

 一方で、オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場が示唆する日銀の0.75%への追加利上げ時期は、5月の日銀金融政策決定会合となっている。
 1月の日本の物価指数(※前年比)は、以下の通りインフレ目標2%を超えている。
・総合消費者物価指数(CPI):+4.0%
・コアCPI(生鮮食品を除く):+3.2%
・企業向けサービス価格指数:+3.1%
・企業物価指数:+4.2%
・輸入物価指数:+2.3%

 9時30分に発表される1月豪消費者物価指数(CPI)は前年比+2.5%と予想されており、昨年12月の同比+2.5%と変わらずと見込まれている。もし、予想を上回っていた場合、先日の豪準備銀行(RBA)理事会での追加利下げに慎重なスタンスを裏付けることになり、豪ドル/ドル買いが予想される。
 声明文は「政策決定では、インフレの好ましい進展が認識されたが、委員会はさらなる政策緩和の見通しについて慎重な姿勢を維持している」とタカ派的であり、ブロックRBA総裁も「インフレに対する勝利宣言は時期尚早であり、追加利下げにはインフレ抑制においてさらなる進展が必要」とタカ派だった。


(山下)
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