ニューヨーク外国為替市場概況・27日 ドル円、続伸

 27日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続伸。終値は149.81円と前営業日NY終値(149.10円)と比べて71銭程度のドル高水準だった。トランプ米大統領はこの日、自身のSNSに「メキシコとカナダに対する関税は3月4日に発動。中国に対しても同日に10%の追加関税を課す」と投稿。米政権による関税政策が米国内での物価上昇圧力につながるとの見方から全般ドル買いが優勢となった。節目の150.00円を上抜けると一時150.16円まで上値を伸ばした。
 ただ、買い一巡後は伸び悩んだ。25日の高値150.30円や一目均衡表転換線150.48円がレジスタンスとして意識されると上昇は一服。一時は450ドル超上昇したダウ平均が下げに転じたうえ、ナスダック総合が2.7%超下落するなど、米国株相場が軟調に推移したことも相場の重し。ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比720円安の3万7580円の大幅安となった。

 ユーロドルは続落。終値は1.0398ドルと前営業日NY終値(1.0485ドル)と比べて0.0087ドル程度のユーロ安水準となった。関税を巡るトランプ米大統領のSNS投稿をきっかけに全般ドル買いが優勢になると一時1.0397ドルと日通し安値を更新した。トランプ氏は前日には「欧州連合(EU)からの輸入品に対する関税について近く公表する」「税率は一般的に言って25%になるだろう」などと述べており、ユーロが売られやすい面もあった。
 なお、米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するシュミッド米カンザスシティー連銀総裁は「インフレ指標も依然総じて目標の2%を上回って推移している」「米連邦準備理事会(FRB)はインフレ抑制において警戒を緩めるべきでない」などと語った。

 ユーロ円は3日続落。終値は155.79円と前営業日NY終値(156.33円)と比べて54銭程度のユーロ安水準。ユーロドルの下落につれた売りが出たほか、日米株価指数の下落を背景にリスク回避の円買いが優勢になると、一時155.66円と本日安値を更新した。

本日の参考レンジ
ドル円:148.75円 - 150.16円
ユーロドル:1.0397ドル - 1.0493ドル
ユーロ円:155.66円 - 157.22円

(中村)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。