NY為替見通し=2月米ISM製造業景気指数やウクライナ関連のヘッドラインに要注目か

 本日のNY為替市場のドル円は、ウクライナ関連のヘッドラインに警戒しながら、2月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数を見極める展開となる。

 2月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数は50.5と予想されており、1月の50.9からの悪化が見込まれている。インフレ状況を見極める意味で「価格指数」(※1月は54.9)、今週末の雇用統計を見極める意味で「雇用指数」(※1月は50.3)の変化にも注目しておきたい。

 本日、三村財務官は、ドル円が150円台で推移している状況で、「円安は懸念事項の一つ、実質賃金や物価高との関連で」と述べており、海外勢の反応に注目しておきたい。

 シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」が示している今年の0.25%の利下げ開始時期は、6月FOMC(-0.25%=4.00-25%)と見込まれ、9月に追加利下げ(-0.25%=3.75-4.00%)、そして12月にも追加利下げ(-0.25%=3.50-75%)が見込まれている。

 また、2月25日時点のIMM通貨先物の非商業(投機)部門取組の円のポジションは、過去最大の95,980枚の買い持ちポジションだった。おそらく、先週末や本日の151円前後までの上昇で大半が手仕舞われたと思われるが、ドル買いの材料が出た場合には、上値リスクに警戒しておきたい。

 米10年債利回りは、ベッセント米財務長官が示唆したように、低下基調にあるものの、ドル円は下げ渋る展開となっている。
 しかし、5日の内田日銀副総裁の講演を控えて上値は限定的だと思われる。

 本日も、トランプ米大統領による突発的な発言(ウクライナ関連、トランプ関税関連)には引き続き警戒しておきたい。


・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処(めど)は、151.48円(2/20高値)

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処(めど)は、149.10円(2/28安値)


(山下)
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