ニューヨーク外国為替市場概況・4日 ユーロドル、続伸

 4日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは続伸。終値は1.0626ドルと前営業日NY終値(1.0487ドル)と比べて0.0139ドル程度のユーロ高水準となった。フォンデアライエン欧州委員長が提案した8000億ユーロ規模の欧州再軍備などが好感されてユーロ買い・ドル売りが先行。米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.1040%前後と昨年10月21日以来の低水準を付けたこともユーロ買い・ドル売りを促し、一時1.0559ドルまで値を上げた。
 トランプ米政権の関税政策が経済に与える悪影響が懸念されて、欧州株相場が大幅に下落すると一時1.0497ドル付近まで伸び悩む場面もあったが下押しは限定的だった。一部通信社がメルツ次期独首相の話として「国防費に対する債務ブレーキを改革し、1%を超える支出を免除する」「ドイツは5000億ユーロの特別防衛基金を設立する」と伝わると、全般ユーロ買いが活発化。6時30分前に一時1.0627ドルと昨年12月6日以来約3カ月ぶりの高値を付けた。

 ドル円は反発。終値は149.79円と前営業日NY終値(149.50円)と比べて29銭程度のドル高水準だった。米政権による関税強化をきっかけに貿易摩擦が激化するとの懸念が高まると、世界的に株価が下落。投資家がリスク回避姿勢を強め円買い・ドル売りが先行した。2月25日の安値148.57円を下抜けて一時148.10円と昨年10月9日以来約5カ月ぶりの安値を更新した。
 ただ、米10年債利回りが上昇に転じると買い戻しが優勢に。「米国とウクライナは鉱物資源のディールで署名の準備」「トランプ米大統領はディールについて議会演説で発表の意向」との一部報道を材料に円売り・ドル買いを進める向きもあり、取引終了間際に149.88円と日通し高値を付けた。ラトニック米商務長官が「トランプ米大統領はカナダとメキシコの関税縮小を明日発表する可能性」「カナダとメキシコについて4月2日に関税の変更があるだろう」と発言したことも相場の支援材料。

 ユーロ円は大幅に3日続伸。終値は159.17円と前営業日NY終値(156.79円)と比べて2円38銭程度のユーロ高水準。世界的な株価の下落を受けてリスク回避の円買いが強まると、0時30分過ぎに155.60円と本日安値を付けた。ただ、そのあとはユーロドルやドル円の上昇につれた買いが優勢となり、159.21円の本日高値まで一転上昇した。ラトニック米商務長官の発言を受けて、過度の通商摩擦懸念が和らいだことも相場の押し上げ要因。

本日の参考レンジ
ドル円:148.10円 - 149.88円
ユーロドル:1.0471ドル - 1.0627ドル
ユーロ円:155.60円 - 159.21円

(中村)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。