NYマーケットダイジェスト・7日 株高・金利上昇・円乱高下

(7日終値)
ドル・円相場:1ドル=148.04円(前営業日比△0.06円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.36円(△0.76円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0833ドル(△0.0048ドル)
ダウ工業株30種平均:42801.72ドル(△222.64ドル)
ナスダック総合株価指数:18196.22(△126.96)
10年物米国債利回り:4.30%(△0.02%)
WTI原油先物4月限:1バレル=67.04ドル(△0.68ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=2914.1ドル(▲12.5ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は3日ぶりに小反発。2月米雇用統計発表直後に147.96円付近まで上げたものの、すぐに失速。23時30分過ぎには一時146.95円と昨年10月4日以来約5カ月ぶりの安値を付けた。米労働省が発表した2月米雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比15.1万人増と予想の16.0万人増を下回り、失業率が4.1%と予想の4.0%より弱い結果となったことが円買い・ドル売りを促した。
 ただ、売り一巡後は急速に買い戻しが進んだ。安く始まった米国株が上昇に転じたタイミングで147.73円付近まで下げ渋った。市場では「147円を割り込んだあとは達成感もありショートカバーが強まった」との声が聞かれた。
 もっとも、トランプ米政権の関税政策を巡る不透明感などから、米国株が再び下落するとドル円も上値が重くなった。2時過ぎには146.96円付近まで下押しした。なお、トランプ米大統領は「カナダに対して早ければ今日、もしくは月曜日に相互関税を発動する」と表明。市場では「関税を巡る状況が二転三転しており、予測不能性が大きな懸念につながっている」との指摘があった。
 しかしながら、NY午後に入ると米国株が再び上昇。ドル円にも再び買い戻しが集まった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.32%台まで上昇したことも相場の支援材料となり、アジア時間に付けた148.16円を上抜けて一時148.20円と日通し高値を更新した。
 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長はこの日、シカゴ大学ブース経営大学院の経済フォーラムで「金利調整を急ぐ必要はない」「トランプ政権の政策とその経済的影響に関する不確実性は依然として高い」「不確実性の高まりにもかかわらず、米経済は好調」などと述べた。

・ユーロドルは反発。独財政拡張方針を好感したユーロ買いが先行したほか、「欧州中央銀行(ECB)の利下げ局面が終わりに近づいている」との見方が相場の支援材料となった。米雇用統計の結果が伝わると一時1.0889ドルと昨年11月6日以来の高値を付けた。
 ただ、節目の1.0900ドルに接近した場面では利食い売りや戻り売りなどが出たため伸び悩んだ。週末を控えたポジション調整目的の売りも出て1.0826ドル付近まで下押しした。

・ユーロ円も反発。1時前に一時160.75円と日通し高値を付けたものの、ドル円や米国株の下落につれた売りが出ると159.44円付近まで下押しした。ただ、NY午後に入り米国株が持ち直すと再び強含む展開に。ドル円の下げ渋りに伴う円売り・ユーロ買いも出て160.66円付近まで持ち直した。

・南アフリカランドは下落。米政府が同国に対する連邦資金拠出を全面停止したことを受けて、ランド売りが広がった。対ドルで一時18.3358ランド、対円で8.03円まで値を下げる場面があった。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反発。2月米雇用統計が予想を下回ると労働市場の減速が米経済の重しになるとの見方から売りが先行。トランプ米政権の関税政策への懸念も根強く、指数は一時400ドル超下げた。ただ、NY午後に入ると買い戻しが優勢に。足もとで相場下落が続いたあとだけに、週末を控えたポジション調整目的の買いが入った。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も反発した。

・米国債券相場で長期ゾーンは下落。低調な2月米雇用統計を受けて買いが先行したものの、NY午後に入ると週末を控えたポジション調整目的の売りが出て下げに転じた。

・原油先物相場は続伸。ロシアのノバク副首相がこの日、OPEC+が4月から原油増産を始めることで合意したと述べたが、市場の不均衡があれば決定を覆す可能性があるとも発言した。この発言を受けると原油先物は一時68ドル台まで上昇した。ただ、引けにかけてはドルがやや強含んだこともあり上げ幅を縮小して引けた。

・金先物相場は5日ぶりに反落。今週に入り上げ幅を広げていたこともあり、週末を前に利食いや持ち高調整の売りが優勢になった。米金利が上昇したこともあり、金利のつかない金先物の重しにもなった。

(中村)
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