欧州マーケットダイジェスト・10日 株安・円高・BTC安

(10日終値:11日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=147.18円(10日15時時点比▲0.34円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=159.39円(▲0.46円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0829ドル(▲0.0006ドル)
FTSE100種総合株価指数:8600.22(前営業日比▲79.66)
ドイツ株式指数(DAX):22620.95(▲387.99)
10年物英国債利回り:4.644%(△0.006%)
10年物独国債利回り:2.833%(▲0.003%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
       <発表値>    <前回発表値>
1月独鉱工業生産
(前月比)   2.0%     ▲1.5%・改
(前年比)  ▲1.6%     ▲2.2%・改
1月独貿易収支
     160億ユーロの黒字 207億ユーロの黒字
2月スイスSECO消費者信頼感指数
        ▲33.6       ▲29.3

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は弱含み。ドイツの環境政党「緑の党」がメルツ氏の債務拡大計画を支持しない意向を示したことなどを受けて独DAXが一時2%超下げたほか、米政権による関税政策などを背景に米景気懸念が一段と高まるとダウ平均が860ドル超下落。投資家がリスク回避姿勢を強め円買い・ドル売りが優勢となった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.19%台まで低下したことも相場の重しとなり一時146.64円と昨年10月4日以来の安値を更新した。
 ただ、売り一巡後は下げ渋る展開に。投機筋の円ロング(ドル円のショート)ポジションの偏りを警戒する向きが増える中、ショートカバーが進み一時147.32円付近まで下げ幅を縮める場面があった。米長期金利が低下幅を縮めたことも相場を下支えした。

・ユーロドルは上値が重かった。欧州勢参入後はユーロ売り・ドル買いが優勢となり、18時前に一時1.0805ドルと日通し安値を付けた。ただ、節目の1.0800ドル手前で下値の堅さを確認すると、一転して買い戻しが優勢に。市場では「ユーロ圏の3月投資家信頼感指数が前月から改善していたこともユーロ買いを誘った」との声が聞かれ、19時30分前に1.0875ドルと日通し高値を更新した。
 もっとも、ドイツの「緑の党」がキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)などが提示した債務抑制策の緩和やインフラ投資へ向けた基金創設などの案について、「現状のままでは支持しない」との方針を示すとユーロ売りで反応。一時1.0813ドル付近まで押し戻された。

・代表的な暗号資産であるビットコイン(BTC)は軟調。対ドルでは節目の8万ドルを割り込み、一時7万8180ドル前後と昨年11月10日以来4カ月ぶりの安値を付けた。BTC円も1151万円前後まで大幅に下落し、昨年11月7日以来の安値を更新した。米ホワイトハウスで前週末開かれた暗号資産サミット後の失望売りが続いたほか、金融市場全般のリスク回避の動きが相場の重しとなった。

・ユーロ円はさえない。欧米株価の下落を背景にリスク回避の円買い・ユーロ売りが入ると、20時過ぎに一時158.90円と日通し安値を付けた。ただ、売り一巡後はドル円と同様に下げ渋った。

・ロンドン株式相場は5日続落。値ごろ感から買いが先行し反発して始まったものの、買い一巡後は次第に弱含み下げに転じた。ドイツや米国の株価指数が軟調に推移した影響を受けた。HSBCやロイズ・バンキング・グループなど金融株が売られたほか、ロールス・ロイス・ホールディングスやアシュテッド・グループなど資本財サービス株が値下がりした。

・フランクフルト株式相場は続落。米国の関税政策や経済の先行き不透明感を背景に米国株が下落すると、独株にも売りが波及した。緑の党がメルツ氏の債務拡大計画を支持しない意向を示したことも投資家心理の悪化につながった。個別ではシーメンス・エナジー(9.16%安)やMTUエアロ・エンジンズ(6.29%安)、SAP(4.78%安)などの下げが目立った。

・欧州債券相場は英国債が下落した一方、独国債が上昇した。

(中村)
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