ニューヨーク外国為替市場概況・10日 ドル円、反落

 10日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反落。終値は147.27円と前営業日NY終値(148.04円)と比べて77銭程度のドル安水準だった。トランプ米政権による関税政策などを背景に米景気懸念が一段と高まると米国株相場が大幅に下落。投資家がリスク回避姿勢を強め円買い・ドル売りが優勢となった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.19%台まで低下したことも相場の重しとなり、24時前に一時146.64円と昨年10月4日以来の安値を更新した。
 ただ、売り一巡後は下げ渋る展開に。投機筋の円ロング(ドル円のショート)ポジションの偏りを警戒する向きが増える中、ショートカバーが進み一時147.47円付近まで下値を切り上げた。対資源国通貨中心にドル買いが進んだ影響も受けた。

 米株式市場でダウ平均が一時1100ドル超急落したことやWTI原油先物相場の下落を背景にドルは対資源国通貨で強含んだ。豪ドル米ドルは一時0.6265米ドル、NZドル米ドルは0.5691米ドルまで下落したほか、米ドルカナダドルは1.4473カナダドル、ドルメキシコペソは20.3961ペソまで値を上げた。

 ユーロドルはほぼ横ばい。終値は1.0834ドルと前営業日NY終値(1.0833ドル)と比べて0.0001ドル程度のユーロ高水準となった。欧州市場では一時1.0875ドルと日通し高値を付けたものの、NY市場では上値の重さが目立った。ドイツの「緑の党」がキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)などが提示した債務抑制策の緩和やインフラ投資へ向けた基金創設などの案について、「現状のままでは支持しない」との方針を示すと独DAXが一時2%超下落。ユーロ相場の重しとなった。

 ユーロ円は反落。終値は159.54円と前営業日NY終値(160.36円)と比べて82銭程度のユーロ安水準。ドイツの環境政党「緑の党」がメルツ氏の債務拡大計画を支持しない意向を示したことなどを受けて、20時過ぎに一時158.90円と日通し安値を付けたものの、NY市場では下げ渋る展開に。ドル円につれた動きとなった。

本日の参考レンジ
ドル円:146.64円 - 147.99円
ユーロドル:1.0805ドル - 1.0875ドル
ユーロ円:158.90円 - 160.45円

(中村)
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