ニューヨーク外国為替市場概況・12日 ユーロドル、反落

 12日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは反落。終値は1.0888ドルと前営業日NY終値(1.0919ドル)と比べて0.0031ドル程度のユーロ安水準となった。米国が提案した30日間の停戦案をウクライナが受け入れると、ウクライナ情勢を巡る懸念が緩和。欧州株相場の上昇とともにユーロ買い・ドル売りが先行した。NY市場に入り、2月米消費者物価指数(CPI)が予想を下回ったことが分かると全般ドル売りで反応し、一時1.0930ドルと日通し高値を付けた。
 ただ、前日に付けた5カ月ぶりの高値1.0947ドルが目先レジスタンスとして意識されると上値が重くなった。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いも出て、23時前に一時1.0876ドルと日通し安値を付けた。1時30分前には1.0928ドル付近まで値を戻す場面もあったが、引けにかけては再び弱含んだ。欧米の貿易摩擦を懸念し上値が重かったところに、ポジション調整目的の売りが出て1.0880ドル付近まで押し戻された。
 なお、欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は本日、すべての国からの鉄鋼・アルミニウム製品に25%の追加関税を課した米国に対抗措置を取ると表明。これを受けて、トランプ米大統領はEUに対して報復するかとの記者団の質問に「もちろん対応する」と答えた。

 ドル円は続伸。終値は148.25円と前営業日NY終値(147.78円)と比べて47銭程度のドル高水準だった。欧州株相場や日経平均先物の上昇などを手掛かりに円売り・ドル買いが先行。米CPIの下振れをきっかけに一時148.18円付近まで売られたものの、148円台は維持した。22時前には149.19円と日通し高値を付けた。
 ただ、買い一巡後は徐々に上値が重くなった。トランプ米政権による関税政策などを背景に米景気懸念が一段と高まる中、一時280ドル超上昇したダウ平均が失速し、420ドル超下落するとドル円にも売りが出た。3時過ぎには一時148.11円付近まで下押しした。もっとも、米長期金利の上昇に伴う円売り・ドル買いも出たため、下値は限られた。

 ユーロ円は小幅ながら続伸。終値は161.40円と前営業日NY終値(161.36円)と比べて4銭程度のユーロ高水準。欧州時間に一時162.36円と日通し高値を付けたあとは徐々に上値が重くなった。欧米の貿易戦争が一段と激化するとの懸念が高まる中、全般ユーロ売りが出ると4時過ぎに161.40円付近まで下押しした。
 ユーロ豪ドルは一時1.7220豪ドル、ユーロNZドルは1.8997NZドル、ユーロポンドは0.8392ポンド、ユーロカナダドルは1.5622カナダドル、ユーロスイスフランは0.9600スイスフランと日通し安値を付けた。

本日の参考レンジ
ドル円:147.68円 - 149.19円
ユーロドル:1.0876ドル - 1.0930ドル
ユーロ円:161.16円 - 162.36円

(中村)
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