ニューヨーク外国為替市場概況・11日 ユーロドル、上昇

 11日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは上昇。終値は1.0919ドルと前営業日NY終値(1.0834ドル)と比べて0.0085ドル程度のユーロ高水準となった。ドイツの環境政党「緑の党」のブラントナー共同党首が「キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と防衛費を巡って交渉の用意がある。週内にも合意の可能性」との見解を示すと、独財政拡大策を巡る交渉成立への期待感が高まりユーロ買いが進んだ。
 NY午後に入ると、ウクライナが「米国提案のロシアとの30日間の停戦を受け入れる用意がある」と発表。ウクライナは停戦案を受け入れる一方、米国は情報共有と安全保障の支援を即時再開。双方は天然資源取引を可及的速やかに締結することでも合意した。ウクライナ情勢を巡る懸念が和らぐと全般ユーロ買いが活発化し、3時30分前に一時1.0947ドルと昨年10月11日以来5カ月ぶりの高値を更新した。

 ドル円は反発。終値は147.78円と前営業日NY終値(147.27円)と比べて51銭程度のドル高水準だった。1月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数が774.0万件と予想の763.0万件を上回ったことが分かると全般ドル買いが先行し一時148.11円まで値を上げた。
 ただ、トランプ米大統領がカナダ産鉄鋼・アルミニウムの輸入関税を25%から50%に引き上げるよう商務長官に指示したと明らかにすると、米国株相場が下落。リスク回避の円買い・ドル売りが入り、147.03円付近まで下押しした。
 もっとも、「カナダで最大の人口を抱えるオンタリオ州のフォード首相は米国向け電力価格の25%上乗せを一時停止することに同意」と伝わり、トランプ米大統領が「カナダへの50%関税、取り下げる可能性を検討」と発言すると株価の下げ渋りとともにドル円にも買い戻しが入った。4時前には147.92円付近まで持ち直した。

 ユーロ円も反発。終値は161.36円と前営業日NY終値(159.54円)と比べて1円82銭程度のユーロ高水準。ドイツで財政出動が早期に実現するとの期待が投資家心理を支え、23時前に一時161.73円まで値を上げたものの、トランプ米政権による関税政策などを背景に米景気懸念が一段と高まるとダウ平均が一時730ドル超下落。リスク・オフの円買い・ユーロ売りが入り、160.63円付近まで下押しした。
 ただ、ウクライナが米国提案の停戦案に前向きとの報道が伝わると再び強含んだ。3時30分前には一時161.79円と日通し高値を更新した。

本日の参考レンジ
ドル円:146.54円 - 148.11円
ユーロドル:1.0830ドル - 1.0947ドル
ユーロ円:158.98円 - 161.79円

(中村)
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