NYマーケットダイジェスト・20日 株反落・ドル高・金最高値

(20日終値)
ドル・円相場:1ドル=148.78円(前営業日比△0.09円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.47円(▲0.66円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0851ドル(▲0.0052ドル)
ダウ工業株30種平均:41953.32ドル(▲11.31ドル)
ナスダック総合株価指数:17691.63(▲59.16)
10年物米国債利回り:4.23%(▲0.01%)
WTI原油先物4月限:1バレル=68.26ドル(△1.10ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=3043.8ドル(△2.6ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)
       <発表値>   <前回発表値>
10-12月期米経常収支
     3039億ドルの赤字 3103億ドルの赤字・改
3月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数
        12.5        18.1
前週分の米新規失業保険申請件数
       22.3万件     22.0万件
2月米景気先行指標総合指数
(前月比)   ▲0.3%    ▲0.2%・改
2月米中古住宅販売件数
(前月比)   4.2%     ▲4.7%・改
(年率換算件数)426万件   409万件・改

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ユーロドルは続落。欧州の取引時間帯には、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁が欧州議会で「通商を巡る不確実性は高い」「米関税と欧州連合(EU)による対抗措置がユーロ圏経済を下押しする」などと発言。欧州株相場の下落とともにユーロ売りが進んだ。
 NY市場に入ってもこの流れが続いた。米政権の関税政策をきっかけとする貿易摩擦が欧州経済に悪影響を及ぼす可能性が改めて意識されたこともユーロの重しとなり、一時1.0815ドルと日通し安値を更新した。3月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数や前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い内容となったこともユーロ売り・ドル買いを促した。

・ドル円は小反発。春分の日の祝日で日本が休場となる中、アジア時間には一時148.18円まで売り込まれたものの、NY市場では買い戻しが目立った。ユーロやスイスフランなど欧州通貨に対してドル高が進んだ影響を受けたほか、米住宅関連指標が予想を上回り、米長期金利が低下幅を縮小したことも相場の支援材料となった。1時前には一時148.96円と日通し高値を更新した。その後の下押しも148.71円付近にとどまった。

・ユーロ円は続落。ユーロドルの下落につれた売りが出ると一時160.74円と本日安値を付けた。ただ、ドル円の上昇につれた買いが入ると161.58円付近まで下げ渋った。

・トルコリラ円は一時3.95円まで上昇する場面があった。トルコ中銀はこの日、緊急会合を開き翌日物貸出金利を現行の44%から46%に引き上げることを決定。また、必要なら追加措置を講じると表明した。この結果を受けてリラを買い戻す動きが広がった。
 なお、エルドアン大統領の主な政敵の拘束をきっかけに金融市場では混乱が広がり、リラ円は前日に3.61円と史上最安値を更新した。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は小反落。トランプ米政権による関税政策が貿易戦争や米経済の下押しにつながるとの懸念が根強い中、売りがやや優勢となった。ただ、前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を好感した買いも入り、相場は上昇に転じる場面があった。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も反落した。

・米国債券相場で長期ゾーンは4日続伸。買い先行で始まったものの、米フィラデルフィア連銀製造業景気指数や2月米中古住宅販売件数が予想を上回ると一転売りが優勢となり上げ幅を縮めた。

・原油先物相場は続伸。ウクライナ停戦をめぐる不透明感や中東情勢の緊迫化を背景に買いが優勢となった。また、米財務省がイラン産原油を購入している中国の独立系製油所を含む複数の団体の最高経営責任者を制裁対象とした、イラン関連の新たな制裁措置を発表したことも買いを後押した。

・金先物相場は8日続伸。昨日引け後にパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が米経済の不確実性が高まっていると表明し、景気懸念から安全資産とされる金は買いが先行した。中東の地政学リスクが高まっていることも支えに、中心限月の清算値ベースで6営業日連続の史上最高値となった。ただ、為替市場でドルが対ユーロなどで上昇し、ドル建ての金に割高感が生じたことで上値は限られた。

(中村)
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