NYマーケットダイジェスト・27日 株続落・金利上昇・円安・金最高値

(27日終値)
ドル・円相場:1ドル=151.05円(前営業日比△0.48円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.15円(△1.23円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0801ドル(△0.0047ドル)
ダウ工業株30種平均:42299.70ドル(▲155.09ドル)
ナスダック総合株価指数:17804.04(▲94.98)
10年物米国債利回り:4.36%(△0.01%)
WTI原油先物5月限:1バレル=69.92ドル(△0.27ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=3061.0ドル(△38.5ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)
       <発表値>   <前回発表値>
10-12月期米国内総生産(GDP)確定値
(前期比年率) 2.4%       2.3%
個人消費確定値
(前期比年率) 4.0%       4.2%
コアPCE確定値
(前期比年率) 2.6%       2.7%
2月米卸売在庫
(前月比)   0.3%       0.8%
前週分の米新規失業保険申請件数
       22.4万件    22.5万件・改
2月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数)
(前月比)   2.0%      ▲4.6%
(前年比)  ▲7.2%      ▲5.2%

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は続伸。米関税強化が米国内の物価上昇圧力を高めるとの観測から、米長期金利が上昇。日米金利差の拡大を見込んだ円売り・ドル買いが進み、21時過ぎには一時151.09円まで上昇した。その後、3日の高値151.30円がレジスタンスとして意識されると150.58円付近まで伸び悩む場面もあったが、下押しは限定的だった。
 米ホワイトハウスが「関税の数字の一部は予想よりも控えめなものになる」との見解を示すと、一時は310ドル超下落したダウ平均がプラス圏を回復。ドル円にも買い戻しが入った。ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングにかけてはドル売りのフローも目立ったが、フィキシング通過後は再び強含み、1時30分過ぎに151.15円と日通し高値を更新した。

・ユーロドルは7日ぶりに反発。この日発表の米経済指標は強弱入り混じる内容となったため、相場への影響は限定的で方向感に乏しい展開が続いた。ロンドン・フィキシングに向けてはドル売りのフローが目立ち、0時30分過ぎに一時1.0821ドルと日通し高値を付けたものの、フィキシング通過後は1.0800ドルを挟んだレンジ取引に終始した。
 米商務省は明日28日に2月米個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)を発表する。当該指標は米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を判断するうえで重視しており、市場では「足もとのインフレ動向を確認したいとの思惑が広がっている」との声が聞かれた。

・ユーロ円は続伸。円安が進んだ欧州市場の流れがNY市場でも続いた。22時30分過ぎには162.41円付近まで下押しする場面もあったが、売り一巡後は再び買いが優勢となり、2時過ぎに一時163.36円と日通し高値を更新した。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続落。トランプ米大統領が輸入自動車への25%の追加関税を発表したことを受け、関税を巡る不透明感や貿易戦争への警戒感が高まった。指数は一時310ドル超下げた。ただ、米ホワイトハウスが「関税の数字の一部は予想よりも控えめなものになる」との見解を示すと、ダウは上げに転じる場面もあった。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も続落。

・米国債券相場で長期ゾーンは小幅続落。トランプ米政権が掲げる関税政策がインフレ再燃につながるとの見方から、売りが優勢となった。7年債入札が「軟調」と受け止められたことも相場の重し。

・原油先物相場は小幅に続伸。米自動車関税が当初憂慮していたよりも限定的な適用にとどまるとの見方もあり、景気圧迫にともなうエネルギー需要の後退は限られるとの観測が下支えになった。ただ、警戒感は依然として拭いきれず、買いも限定的だった。

・金先物相場は反発。米金利の上昇が一服し、金利がつかない資産である金の相対的な投資妙味改善に寄与。米株の重い推移もリスク回避資産である金を買う動きを後押しした。円以外の通貨に対するドルの戻りの鈍さがドル建て金相場の割安感につながった面もあり、中心限月としての史上最高値を3071.3ドルまで更新した。

(中村)
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