欧州マーケットダイジェスト・8日 株大幅高・円高・人民元安

(8日終値:9日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=146.64円(8日15時時点比▲0.95円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.33円(▲1.54円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0933ドル(▲0.0034ドル)
FTSE100種総合株価指数:7910.53(前営業日比△208.45)
ドイツ株式指数(DAX):20280.26(△490.64)
10年物英国債利回り:4.605%(▲0.010%)
10年物独国債利回り:2.631%(△0.018%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
       <発表値>    <前回発表値>
2月仏貿易収支
   78.74億ユーロの赤字 64.90億ユーロの赤字・改
2月仏経常収支
     19億ユーロの赤字  13億ユーロの赤字・改

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は頭が重かった。トランプ米大統領が表明した相互関税を巡り対象国との交渉が進むとの期待から、欧州株相場は大幅に上昇。米株式市場ではダウ平均が一時1400ドル超上昇した。投資家の過度なリスク回避姿勢が和らぎ円売り・ドル買いが優勢になると、23時30分前に一時147.67円付近まで値を上げた。なお、ハセット米国家経済会議(NEC)委員長は「関税交渉では日本と韓国を優先している」などと述べた。
 ただ、一目均衡表転換線と基準線が合わせて位置する147.89円付近がレジスタンスとして意識されると上値が重くなった。「トランプ米政権は中国に対する104%の追加関税を明日9日に発動する」と伝わると、米中の貿易摩擦が激化するとの懸念から米国株相場が失速。リスク回避の円買いが優勢となり、2時30分過ぎに一時146.25円と日通し安値を更新した。

・米中の貿易摩擦が激化するとの懸念からオフショア人民元(CNH)は急落。対ドルで一時7.4141元まで下落し、過去最安値を更新した。
 なお、トランプ米大統領は緊張緩和のため、中国側に協議を呼びかけたもよう。米ホワイトハウスは「中国が合意すればトランプ氏は寛大になる」との見解を示した。

・ユーロドルは一進一退。欧州勢がユーロ売りで参入すると一時1.0911ドル付近まで値を下げたものの、本日早朝につけた安値1.0905ドル手前で売りは一服。21時30分過ぎには1.0968ドル付近まで持ち直した。なお、シムカス・リトアニア中銀総裁は「4月の理事会では0.25%の利下げが必要」「制限的な政策スタンスをさらに弱める必要がある」と述べたほか、ストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁は「インフレ再燃の可能性が金融政策の正常化を遅らせる恐れがある」などと話した。
 ただ、NY勢が本格参入する時間帯に入ると再び弱含んだ。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出て、一時1.0889ドルと日通し安値を更新した。もっとも、米中貿易摩擦激化への懸念から、米長期金利が上昇幅を縮めるとユーロ買い・ドル売りがじわりと強まり、1.0949ドル付近まで下値を切り上げた。

・ユーロ円は軟調。欧州勢がユーロ売りで参入したあとはドル円の失速に伴う円買い・ユーロ売りが入った。一時は1400ドル超上昇したダウ平均が上昇幅をほぼ消したほか、4.5%超上昇したナスダック総合がマイナス圏に沈むとリスク回避の円買いが入り、2時30分過ぎに一時160.03円と日通し安値を更新した。

・ロンドン株式相場は5日ぶりに大幅反発。前日に約1年1カ月ぶりの安値を付けていたため、自律反発狙いの買いが優勢となった。貿易摩擦を巡る投資家の過度な警戒が後退したことも株買いを誘った。ロールス・ロイス・ホールディングスやレレックスなど資本財サービス株が買われたほか、ハルマやセイジ・グループなど情報技術セクターが値上がりした。

・フランクフルト株式相場は5日ぶりに大幅反発。米関税政策を巡って欧州連合(EU)が米国と交渉する姿勢を示したため、貿易摩擦に対する投資家の過度な懸念が和らいだ。足もとで相場下落が続いたあとだけに、短期的な戻りを期待した買いも入った。フランスの株価指数は2.50%高、イタリアは2.44%高、スペインは2.37%高となるなど、欧州の主要な株式相場は軒並み上昇した。

・欧州債券相場は英国債が上昇した一方、独国債が下落した。

(中村)
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