欧州マーケットダイジェスト・7日 株大幅安・金利上昇・円安・ドル高

(7日終値:8日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=147.94円(7日15時時点比△2.23円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.83円(△1.32円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0938ドル(▲0.0077ドル)
FTSE100種総合株価指数:7702.08(前営業日比▲352.90)
ドイツ株式指数(DAX):19789.62(▲852.10)
10年物英国債利回り:4.615%(△0.167%)
10年物独国債利回り:2.613%(△0.035%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
       <発表値>    <前回発表値>
2月独鉱工業生産
(前月比)   ▲1.3%      2.0%
(前年比)   ▲4.0%     ▲1.6%
2月独貿易収支
     177億ユーロの黒字 162億ユーロの黒字・改
2月ユーロ圏小売売上高
(前月比)    0.3%     0.0%・改
(前年比)    2.3%     1.8%・改

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は底堅い動き。イタリア外相が「欧州連合(EU)の対米報復関税の発動は4月30日まで延期される可能性がある」との見解を示したほか、フォンデアライエン欧州委員長が「米国に工業製品でゼロ対ゼロの関税を提案した」と明らかにすると貿易戦争への過度な警戒感が後退。リスク回避の巻き戻しが進んだ。
 NYの取引時間帯に入ると、ハセット米国家経済会議(NEC)委員長が「トランプ米大統領が中国を除くすべての国・地域に対する関税を90日間、一時停止することを検討している」と述べたと伝わった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.21%台まで上昇すると円売り・ドル買いが優勢となり、一時148.15円と日通し高値を更新した。
 なお、米ホワイトハウスは「90日間の関税停止はフェイクニュース」と当該記事を否定。さらに、トランプ米大統領が「中国が明日8日までに34%の追加関税を撤回しない場合、米国は9日から中国に50%の追加関税を課す」と警告したにもかかわらず、米10年債利回りが高い水準を維持したため、ドル円の下押しは限定的だった。

・ユーロドルは頭が重かった。日本時間夕刻に一時1.1050ドルと日通し高値を付けたものの、買い一巡後は徐々に弱含んだ。米ホワイトハウスは「フェイクニュース」として否定したものの、「米関税を90日間停止」との一部報道をきっかけとした米長期金利の上昇傾向が継続したため、全般ドル買いが優勢に。0時30分過ぎには一時1.0902ドル付近まで値を下げた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時103.52まで上昇した。

・ユーロ円はしっかり。EUが米国と交渉する姿勢を示したほか、「米政権が大規模関税を90日間停止する」との報道が伝わると貿易摩擦を巡る投資家の過度な警戒が後退。一時1700ドル超下落したダウ平均が持ち直し、890ドル超上昇したことでユーロ円にも買い戻しが入った。23時過ぎには一時162.37円と日通し高値を更新した。
 なお、米ホワイトハウスが「関税停止のニュースはフェイク」と表明したほか、トランプ米大統領が中国に対する関税強化の可能性を示唆するとダウ平均は再び1100ドル超下げたものの、その後再び上昇に転じたことから、ユーロ円の下値は限定的だった。

・ロンドン株式相場は大幅に4日続落し、昨年3月11日以来約1年1カ月ぶりの安値で取引を終えた。米政権による相互関税の影響が懸念されて、英国経済の先行き不透明感から売りが膨らんだ。ハルマやセイジ・グループなど情報技術セクターが売られたほか、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が値下がりした。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株も軟調だった。

・フランクフルト株式相場は大幅に4日続落し、昨年11月29日以来の安値となった。貿易摩擦の激化で世界景気が後退局面に陥るリスクが高まっているとの懸念から、この日も売りが続いた。フランスの株価指数は4.78%安、イタリアは5.18%安、スペインは5.12%安となるなど、欧州の主要な株式相場は軒並み急落した。

・欧州債券相場は下落。米債安につれた。


(中村)
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