ニューヨーク外国為替市場概況・8日 ドル円、3日ぶり反落

 8日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3営業日ぶりに反落。終値は146.27円と前営業日NY終値(147.84円)と比べて1円57銭程度のドル安水準だった。トランプ米大統領が表明した相互関税を巡り対象国との交渉が進むとの期待から、ダウ平均が一時1400ドル超上昇すると、投資家の過度なリスク回避姿勢が和らぎ円売り・ドル買いが先行。23時30分前に一時147.67円付近まで値を上げた。
 ただ、一目均衡表転換線と基準線が合わせて位置する147.89円付近がレジスタンスとして意識されると失速した。「トランプ米政権は中国に対する104%の追加関税を明日9日に発動する」と伝わると、米中の貿易摩擦が激化するとの懸念からダウ平均が下げに転じ、一時800ドル超下落。リスク回避の円買い・ドル売りが優勢となり、4時30分過ぎに145.97円と日通し安値を付けた。

 米相互関税を巡り米中の貿易戦争が激化するとの警戒感が高まる中、オフショア人民元(CNH)は急落した。対ドルでは一時7.4290元まで下落し、過去最安値を更新した。また、CNH円は19.69円と昨年9月以来の安値を更新した。

 ユーロドルは3日ぶりに反発。終値は1.0958ドルと前営業日NY終値(1.0912ドル)と比べて0.0046ドル程度のユーロ高水準となった。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが先行すると、23時30分過ぎに一時1.0889ドルと日通し安値を付けたものの、前日の安値1.0882ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。対円でドル安が進んだ影響も受けて、4時30分前に1.0978ドル付近まで持ち直した。
 なお、米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するグールスビー米シカゴ連銀総裁はこの日、「トランプ大統領が打ち出した関税措置は想定されていたものよりもはるかに大きい」と述べ、「インフレが再燃するリスクへの不安もある」との考えを示した。

 ユーロ円は反落。終値は160.29円と前営業日NY終値(161.31円)と比べて1円02銭程度のユーロ安水準。大幅高で始まった米国株相場が下げに転じるとリスク回避の円買いが優勢となり、2時30分過ぎに一時160.03円と日通し安値を更新した。
 ユーロ円以外のクロス円も軟調だった。ポンド円は一時186.55円、豪ドル円は86.88円、NZドル円は80.74円、カナダドル円は102.37円、メキシコペソ円は7.00円まで値を下げたほか、南アフリカランド円は7.39円と2023年6月以来の安値を付けた。

本日の参考レンジ
ドル円:145.97円 - 148.12円
ユーロドル:1.0889ドル - 1.0992ドル
ユーロ円:160.03円 - 162.20円

(中村)
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