NYマーケットダイジェスト・10日 株安・長期金利上昇・ドル安・金最高値(1)

(10日終値)
ドル・円相場:1ドル=144.45円(前営業日比▲3.31円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.80円(▲0.08円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1201ドル(△0.0252ドル)
ダウ工業株30種平均:39593.66ドル(▲1014.79ドル)
ナスダック総合株価指数:16387.31(▲737.66)
10年物米国債利回り:4.42%(△0.09%)
WTI原油先物5月限:1バレル=60.07ドル(▲2.28ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=3177.5ドル(△98.1ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)
       <発表値>   <前回発表値>
3月米消費者物価指数(CPI)
(前月比)  ▲0.1%       0.2%
(前年同月比) 2.4%       2.8%
エネルギーと食品を除くコア指数
(前月比)   0.1%       0.2%
(前年同月比) 2.8%       3.1%
前週分の米新規失業保険申請件数
       22.3万件     21.9万件
3月米財政収支
      1605億ドルの赤字 3070億ドルの赤字

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は大幅に反落。米政権による関税を巡り中国は米国に譲歩しない姿勢を維持。米中の貿易戦争激化への懸念から、米国株相場が大幅に下落した。米長期債やドルも売られ、「トリプル安(株安・債券安・通貨安)」の様相が強まった。1時前には一時144.02円と日通し安値を更新した。
 主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時100.70と昨年10月以来の低水準を付けたほか、ダウ平均は一時2100ドル超下落。また、米長期金利の指標となる米10年債利回りは4.42%台まで上昇した。
 ただ、売り一巡後は下げ渋る展開に。前日の安値144.00円が目先サポートとして意識されると買い戻しが進み、4時30分前には145.13円付近まで下値を切り上げた。
 なお、前日にはトランプ米大統領が「相互関税」の上乗せ部分を一時停止すると発表し、米国株相場は急騰したものの、市場の不安心理は拭い切れていない。シカゴ・オプション市場(CBOE)でS&P500種株価指数オプションの値動きに基づいて算出される変動性指数(VIX、恐怖指数)は一時54.87まで急上昇した。

・ユーロドルは大幅反発。米中の貿易戦争激化への警戒感が根強い中、安全資産とされるスイスフランや円に対してドル売りが進むと、ユーロに対してもドル売りが先行した。3月米消費者物価指数(CPI)が予想を下回ったことが分かると、発表直後こそドル買いが入ったものの、そのあとは再びドル売りが優勢に。3日の高値1.1144ドルを上抜けると一時1.1241ドルと2023年7月以来約1年9カ月ぶりの高値を更新した。
 なお、ドルスイスフランは一時0.8232スイスフランまで下落し、15年1月以来10年3カ月ぶりの安値を付けた。

・ユーロ円は小反落。ドル円の下落につれた売りが出た半面、ユーロドルの上昇につれた買いが入った。21時前に160.96円付近まで下げたものの、3時30分前には162.58円と日通し高値を付けた。

(中村)
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